世界を舞台に活躍する写真家の⼤山光は、よく引き締まった身体、優しい⾯影をもつ美しい男である。東京での華やかな暮らしに不在感を感じている。ある日、救いを求めて沖縄を訪れる。そこで出逢った澄み切ったイノー(サンゴ礁の浅瀬)から突然出現した美しい姿態の美少女、石垣真海を探し歩く。「カーラヌカン」という不思議な祈りの声に誘われ「ニライカナイ海の火祭り」で真海を見つける。三日月の夜に”写真を撮らせて欲しい”と説得し、八重山地方を背景に撮影していた。突然、強い太陽光線が⼤山を突き刺し、目の前が真っ⽩になる。気がつくと、真海が忽然と消えてしまっていた。美少女はまるで光に吸い込まれるように消えてしまったのだ。⼤山は琉球から綿々と続く自然信仰の力に 押し流されて、訳のわからないまま、八重山の奥深くで消えた少女を探し続けてしまう…。
浜野安宏
岩下悠子
杉山嘉一