19世紀末のロンドン。情熱の全てをイリュージョンに注ぐ2人の天才マジシャン、ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)。互いに尊敬し合い、持てる技術を駆使してしのぎを削っていた。しかしある日、アンジャーの妻が、脱出マジックの失敗で帰らぬ人に。トリック中にほどけるはずだった縄を結んだのはボーデンだった。アンジャーは妻を死に導いたボーデンに復讐を誓い、ボーデンもまた、執拗に自分を追い詰めるアンジャーに憎しみを募らせていく。やがてボーデンは、舞台でアンジャーの壮絶な死を目の当たりにする。翌日アンジャー殺しの犯人として逮捕されたボーデンは冤罪を主張するが、全く聞き入れてもらえない。ボーデンはそこに恐るべきトリックを感じとる。これは、アンジャーが仕掛けた人生最大のイリュージョンなのではないか――。
クリストファー・ノーラン