結婚生活して15年、“理想のカップル”と見られていたマリー(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)とニコラ(ブリュノ・トデスキーニ)。だが2人は実は離婚することを決めていたのだった。だが、友人の結婚式のために訪れたパリで数日を過ごす中で初めて互いの愛に気づいてゆく。監督は諏訪敦彦。夫婦を演じるのは『ふたりの5つの分かれ路』のヴァレリア・ブルーニ=テデスキと『ソン・フレール-兄との約束』のブリュノ・トデスキーニ。
諏訪敦彦
すでに離婚を心に決めた一組のカップルが、友人の結婚式に出席するために訪れたパリでの数日間の滞在の中で、時にののしり合い、後悔し、迷い、傷つけあいながら相手の存在の大きさに気づいてゆく姿を繊細に、情感豊かに描いた『不完全なふたり』。フランス人の俳優、スタッフを起用し全編フランス語で撮影された本作、どこから見てもフランス映画だが、監督を務めたのは日本人。これまで、『H story』などがカンヌに出品され話題を呼び、世界の錚々たる監督が集結した『パリ、ジュテーム』でも、唯一の日本人監督として名を連ねた諏訪敦彦が指揮を執った。7月6日(金)、新宿武蔵野館にて、諏訪監督と、今年春にフランス人のアートディレクター、ローラン・グナシア氏と結婚したばかりの女優の寺島しのぶを迎えてのトークショーが行われた。
今年3月に公開された『パリ、ジュテーム』に日本人唯一の監督として参加し、ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォーを起用した一編を演出した諏訪敦彦監督。その諏訪監督によって、2005年に製作され、ロカルノ国際映画祭で準グランプリにあたる審査員特別賞と国際芸術映画評論連盟賞をダブル受賞した長編『不完全なふたり』が6月30日(土)、公開初日を迎えた。公開劇場の新宿武蔵野館では諏訪監督による舞台挨拶が行われ、訪れた観客との間で活発な質疑応答が交わされた。