永遠に愛し合いたいのに――。時が経つにつれ、彼は私に飽きてしまうかもしれない。私の顔に、私の容姿に、飽きてしまう…。愛の不安から整形にふみきり、自分の顔を作り変える女。新しい顔になった彼女は、恋人の前に現れる。真実を知らず彼女を愛しはじめる男。しかし、その真実を知った時、彼がとった行動とは…!? 整形大国といわれる韓国から生み出された愛の物語は、「奇想」ともいうべきイマジネーションから、かつてない愛の深淵へ加速する。
キム・ギドク
長期の連休が近づいてくると、「では、いっちょやりますか」的な気分になるのが、テーマを決めて行う“まとめ鑑賞”。一度観始めたら止められなくて困ってしまう海外TVのドラマシリーズなんかがその良い例ですよね。
1996年に『鰐(原題)』でデビューしてから精力的に作品を作り続けているキム・ギドク監督。そのデビュー作は、そのあまりにも衝撃的な内容に「批評家が100人いたら、そのうちの2人だけが評価してくれる、というような映画でした」と自らデビュー作を振り返る。「その『鰐』以降、私が作る映画は危険な映画だという烙印を押されたような感じになっていました。その後、『悪い女 青い門』('98)、『魚と寝る女』('00)などを作ってからは完全に悪い監督と言われていました。『悪い男』('01)が公開される頃には、これ以上私の映画に関心を見せないという人がたくさんいました」
途方もない想像力と、誰もが「頭の中を見てみたい!」と驚くような作品を次々と発表している韓国の鬼才・キム・ギドク監督。その彼の13品目である『絶対の愛』の公開を記念して、デビュー作『鰐(ワニ)』を除く全作品の特集上映企画「スーパー・ギドク・マンダラ」が渋谷ユーロスペースにて実施中。その初日である2月24日(土)に『絶対の愛』のプロモーションで来日中のキム・ギドク監督による舞台挨拶が行われた。