何かあればすぐにジョセフィン・ベイカーの曲を歌いながら踊りだし、いつでも地上から少し浮いているような主婦のオデット(カトリーヌ・フロ)。美容師の息子と生意気盛りの娘と一緒に住む彼女は、昼はデパートの化粧品売り場で働いて、夜はせっせと羽根飾りの内職に励む。そして寝る前にはお気に入りの作家、バルタザール・バルザン(アルベール・デュポンテル)の本を読むのがなによりの楽しみだ。バルタザールは、ベタベタのラブロマンス作家だが、オデットにとっては憧れの存在。ある日、彼に感謝の気持ちを伝えたいとファンレターを渡すことに成功する。一方のバルタザールは最新刊が酷評され、挙句に妻がその評論家と浮気していることを知る。そんな時、オデットのファンレターを読み…。
エリック=エマニュエル・シュミット