『戦場でワルツを』

Waltz with Bashir

戦場でワルツを
監督 アリ・フォルマン
俳優 アリ・フォルマン

1982年にレバノン・ベイルートの難民キャンプで起きた、キリスト教徒軍によるパレスチナ難民の大虐殺を描いたドキュメンタリー・アニメーション。アリ・フォルマン監督が実体験に基づいて悲劇の真相を伝える。カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。

2009年11月28日よりシネスイッチ銀座にて公開

2008,イスラエル,ツイン

© 2008 Bridgit Folman Film Gang, Les Films D'ici, Razor Film Produktion, Arte France and Noga Communications-Channel 8. All rights reserved

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追体験

アニメーションなんだけど、アニメーションだと感じさせない作り。
映像的センスと音楽的センスが抜群で、この2つが奇妙にマッチして印象的なシーンを演出。本当に美しいんです。予告編を観た時も感動したけど、この映画は全編に渡って妥協のない見逃すことのできないものになってて圧倒されました。冒頭の犬のシーンからもう並々ならぬものを感じさせられた。

そしてこの映画を観て私は何を感じただろう。よく分からない。
戦争は駄目だとか、世界情勢を見て取って誰が悪いだとかは、軽々しく言える内容ではなかった。
戦争経験がないから戦争について私は何も語れない。傷つける者、傷つけられる者、その両者に永遠に残る深い傷と絶望は、体験したことがない。
でも私はこの映画を観て想像することはできた。彼らの非現実的な現実に近づき、その心を知る。本当の体験ではないけど、追体験することができた。
戦地のカメラマンは、そのカメラを失ったときに初めて現実に突き出されることになるとこの映画の中で言ってたけど、それを観客にリアルに体験させるラストには本当に言葉が出なかった。素晴らしかったです。

それから、消したい過去や記憶から葬り去った過去ほどその人の重しとなっているもので、傷を抉りながらそれを浮き彫りにして表現することはどれだけ勇気の要ることだろうと思った。そんな作品だからこそ人の胸を打つのかもしれない。

自らの体験を綴り脚本も担当したアリ・フォルマン監督。
この人の才能はただただ凄いと思いました。

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