『ノルウェイの森』

Norwegian Wood

ノルウェイの森
監督 トラン・アン・ユン
俳優 松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子

高校時代の唯一の親友キズキを突然の自殺で喪ったワタナベ(松山ケンイチ)は、新しい生活を求め東京の大学に行く。そこでキズキの恋人だった直子(菊地凛子)と偶然再会。同じ悲しみを背負った二人は、大切なものを喪った者同士付き合いを深めていく。しかし付き合いを深めるほど、次第に直子の持つ喪失感は深くなり、20歳になった直子は京都の療養所に入院することに。そんな時にワタナベは大学で、春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい女の子・緑(水原希子)と出会う――。1987年に発表され、国内での累計発行部数870万部を誇る村上春樹の同名小説の映画化。『夏至』のトラン・アン・ユン監督がメガホンを取る。

2010年12月11日より全国東宝系にて公開

2010,日本,東宝

© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン

[Official Site]映画公式サイト

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美しい映画には間違いない 原作が有名なだけに観方はいろいろ

内容はさておき、背景や撮り方が本当に美しい。広大な自然、山や草原、60〜70年代の学生寮やアパート、夏の終わりの日差し、登場人物の心を反映するような曇り空、風、雪。そして、近くの柱など越しにカメラがゆっくり移って、物憂げな登場人物の顔のアップを映す、そのカメラワーク。時折、手などのアップや、写真のようなシーンの切り替え。
小説のファンは観方が違うだろうし、レビューを読んでいても映画に関して賛否両論のようですね。私は原作を読んでいない状態でこの映画を観て、理解できない部分がありました。直子はどうしてその話に執着し過ぎるのか。深い悲しみは表れているけれど、口にするのはそんなことばかり?生死が大きく関わる中で、重要なことが?と。いったい何が彼女を苦しめ続けているのかわからなくなって。さらに、レイコさんの最後の行動も理解できない(わたしたちって普通じゃないのって本人も言っていたっけ)。
で、映画を観た後で原作を読みました。それは全てのシーンを補足していくもので、詳細がくっきり縁取られていく。村上春樹の小説は情景が鮮明ですが、さらに読みながら映像化されて頭に入ってくるような。ワタナベくんが緑ちゃんをなぜ好きになったのかも映画では少しわからない気もしましたが、映画プラスアルファの2人の関わりを原作で感じると、わかったような気がします。映画で小説朗読風なセリフに違和感がありましたが、それはほぼ原作に忠実で、そのセリフ自体美しく、敢えてそうしていることに意味を感じました。それに、緑ちゃんがワタナベくんに、あなたのしゃべり方すごく好きよって言っていたから、原作のままのほうがよいのかもしれない。映画でへんだなと感じた登場人物の考え方の角度などを気にするのもたいしたことでないぐらい、原作の中で、「下」でかなり強調されてくる特有の描写がこの小説のジャンルから外れるくらいに小説自体の印象を壊していくように感じられ、原作に少しがっかりしました、私は。
というわけで、映画を観た後に原作を読んだことによって、小説の良い部分をシンプルに抜き出し、全体的に話を網羅している映画を内容的にも良いと思えました。
映画音楽の効果も感じます。時代を反映するようなロックミュージック。エンドクレジットのビートルズの主題歌の優しいメロディーが悲しさを際立たせ、その後のギターの音色がさらに余韻を残します。

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