前学期、いじめが原因で自殺未遂を起こした男子生徒・野口が通う、東が丘中学校は揺れていた。新学期初日、彼のいる2年1組に一人の臨時教師が着任する。村内(阿部寛)と名乗るその男性教師の挨拶に、生徒たちは驚いた。彼は吃音だったのだ。うまく喋れない村内だったが、その分彼は本気の言葉で生徒たちと向かい合い、まず彼らに野口の机と椅子を元の位置に戻すように諭す。そして毎朝、「野口くんおはよう」と声をかけては、いじめ問題に真正面から向かい合っていく――。重松清の連作短編集を原作に、いじめ問題に取り組む教師と生徒たちの心の交流を描く。
中西健二