島根県・雲南市。川沿いの桜並木が朝陽に染まる頃、この町の新たな1日が始まる――。高校3年生の鉄郎(橋爪遼)の日課は、父親(菅田俊)の工場で作られる新鮮な牛乳を入院中の母親(宮崎美子)に届けること。そんな彼の悩みは、卒業後の進路と幼なじみで同級生の多賀子(柳沢なな)への想い。高校生最後の夏休みにと、郷土を愛してやまない熱血教師・尾崎(甲本雅裕)は、鉄郎たちクラス一同を、特別遠足と称して市内の名所・旧跡に連れ出す。そこで、ヤマタノオロチ伝説伝承地の一つ“印瀬の壺神”に足を踏み入れたことが、後に鉄郎の運命を左右することになる…。島根県出身の監督・錦織良成が2001年に製作した『白い船』('01)に続く、島根3部作の第2弾。
錦織良成