鮮やかな手口で銀行から金を奪い、不可能とも思える脱獄を繰り返す世紀のアウトロー、ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)。利益を独り占めする銀行を襲撃する大胆不敵な犯罪行為、強者から金を奪っても弱者からは一銭も奪わないといった独自の美学を貫くカリスマ性に、不況に苦しむ多くの国民は魅了され、彼をスターのごとく崇めた。そんな中、デリンジャーは一人の女性・ビリー(マリオン・コティヤール)との運命的な出会いを果たす。ビリーもまた危険な選択だと分かりながらも、彼の強引で一途な愛に次第に惹かれていく。一方で捜査当局は、デリンジャーをアメリカ初の「社会の敵ナンバーワン(Public Enemy No.1)」として指名手配する。捜査の包囲網に追われながら、永遠の愛を信じた2人は自由への逃亡を決意する――。大恐慌の1930年代、庶民の心を虜にした伝説の犯罪者、ジョン・デリンジャーと彼の愛した女性のスリリングな逃亡劇を描く。
マイケル・マン