琵琶湖畔の街・石走に、“不思議な力”を伝承してきた一族がいる。日出家は、江戸時代から現存する石走城に住む一族。その跡取りにして、最強の“力”の持ち主とされる淡十郎は未だ高校生ながら、街の人々から崇め奉られる“ナチュラルボーンお殿様”。その淡十郎が暮らす石走城に、分家の涼介が居候を始める。ある日、淡十郎は校長の娘・速水しおりに恋をする。しかし、速水は同じクラスの棗広海に恋をしているという。棗一族も“不思議な力”を伝承する一族で、日出家とは永遠のライバルだったのだ。絡み合う両家の因縁。淡十郎の小さな失恋の腹いせが火種となり、やがて街や歴史をも巻き込む大きな騒動へとなり…。
水落豊