女子校、中学三年生。鷹音と三佳、高校進学で離ればなれになる前のきらめいた青春時代。美術学校に進学したい鷹音は、お気に入りの小説「思春期ごっこ」を読みふける三佳をモデルに絵を描いていた。唯一無二の親友の二人。静かで濃密な夕暮れの時間。きっとこの関係性は永遠に変わらない、そう思っていた。ある時三佳は、通い詰めていた図書館で、司書となっていた「思春期ごっこ」の作者・奈美江と出会う。同じ中学の出身で、在学中に小説を出版した奈美江に強い憧れを抱いていた三佳は、次第に彼女との時間を優先するようになる。置き去りになった鷹音の心は嫉妬に満ちていき…。
倉本雷大