海が近くうら寂れた毘沙門仲通商店街は、街の人々からの信頼が厚い神浦玄洋(リリー・フランキー)を組長とする神浦組が牛耳っていた。神浦の舎弟である影山亜喜良(市原隼人)は、敏感肌ゆえ刺青も入れられない若衆止まりの半端者。神浦に憧れて極道の世界に入ったものの、映画のような誇り高い仁義や任侠心に満ち溢れた理想の世界からほど遠い現在のヤクザ社会にうんざりしていた。退屈な毎日を送っていたある日、神浦の命を狙う刺客たちが次々と毘沙門仲通商店街に現れる…。死闘の果て、影山の前に八つ裂きにされた神浦が横たわっていた。駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が突然噛みついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する…。「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」神浦はそういい残し絶命する。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた――。
三池崇史