011年、イタリア・トスカーナ州シエナ。中世の雰囲気漂うこの美しい街は、4年前にイギリス人女子留学生が殺害された事件の裁判の話題で持ちきりだった。事件の容疑者であるルームメイトのアメリカ人留学生ジェシカと被害者のエリザベスがどちらも若く美しい女性だったため、地元イタリアのみならず米英のマスコミ報道が過熱化。セックスやドラッグが絡んだ事件の背景が誇張して伝えられ、大衆向けに扇情的な報道が繰り返されていた。この事件の映画化をオファーされた気鋭の監督トーマスはジャーナリストのシモーンと共に現地に乗り込む。「事件」の真偽が不確かな状況の中、創作上の迷いに苦しむトーマス。彼はシエナで出会った天真爛漫な女子学生メラニーの励ましに心癒やされ、“本当に撮るべきもの”に気付き始めていく…。
マイケル・ウィンターボトム