90年代フランス。エレクトロ・ミュージックが台頭する波に乗り、大学生のポールは、親友とデュオを作り、DJとして活動を始める。ガラージを中心にミックスする彼らの“Cheers”は瞬く間に人気となり、パリで最も熱いクラブで開催されるパーティの主役となっていく。その狂騒的な成功に酔いしれるうち、ポールの生活の歯車は少しずつ狂い始める。音楽にのめり込み、狂った金銭感覚により経済状況は益々悪化、ドラッグに溺れ、恋人との関係も破綻を繰り返すように。やがてポールが生み出す音楽は、最先端のクラブシーンと少しずつ乖離していく――。
ミア・ハンセン=ラヴ