2016年5月23日、「KYOSUKE HIMURO LAST GIGS」東京ドーム最終公演。音楽界に多くの伝説を残し、常にトップスターで在り続けた男がステージを降りた。「彼はなぜその決断をしたのか」。氷室京介自身から発せられる数少ない言葉を頼りに、多くのファンは様々な思いを巡らせていた。次第に明らかになる聴力の問題、遠く海を隔てて体験した東日本大震災、無念のステージとなった2014年の横浜スタジアム、そしてファンへの想い…。氷室京介はいつも何かを背負い、様々なことを受け止め、そして一人、決断していた。この激動の6年間、様々な「氷室京介」にまつわる事象の裏で、1台のカメラがその姿を捉え続けていた。「自分が目撃してきたものを、ファンにも伝えるべきだ――」。
山崎大介