20世紀初頭、ベル・エポック期のフランス。白人芸人フティットと、黒人芸人ショコラによるかつてないコンビがサーカスで大衆の人気を集めていた。2人のうわさはパリにおよび、彼らは名門ヌーヴォー・シルクの専属となる。瞬く間にトップの座に躍りでた彼らは一世を風靡するが、人種差別の根は深く、ショコラはその苦しみから逃れるように酒とギャンブルに溺れていく――。数多くのアーティストに影響を与えた伝説の芸人コンビ「フティット&ショコラ」。奴隷の子として生まれながらもフランス史上初の黒人芸人としてスターに登りつめ、笑いで革命を起こしたものの歴史に名を残せなかったショコラの生涯、そして、誰よりもショコラの才能を信じ支えた相方フティットとのコンビ愛を、丁寧に真摯に描いた感動の実話。
ロシュディ・ゼム