
12人の男女、それぞれのエピソードが展開する『大停電の夜に』。突然の停電で、研修先のホテルのエレベーターに閉じ込められる…という中国人青年役を演じるのが、いま注目の若手俳優、阿部力だ。
本作が日本映画デビューとなる阿部。「日本の映画にはずっと出演したいと思っていました。最初にこの映画の原作を読んだ時、このホテルマンの役は日本人の設定だったんですが、その後監督と話をする機会があり、中国人研修生という役に変えていただきました。これはすごいチャンスだ! と思いました」と流暢な日本語で嬉しそうに語る。阿部は父親が中国人で、母親が中国人と日本人のハーフ。9歳の時に日本に移住し、帰化している。本作で演じる「李冬冬」という役名は、実は彼の帰化前の本名なのだ。

そんな阿部と共演しているのは、不倫の泥沼にはまる女性を演じる井川遥。「井川さんとは初対面でした。印象としては、とても強い女性。2人のシーンで、彼女が思いっきり泣き出すところがあるんですが、それを見てすごいと思いました」。また映画の中で好きなシーンを訊ねると「宇津井健さんが車を盗むシーン。カッコイイと思いました」と笑った。
「『大停電の夜に』に出演して影響をうけたことは、人とのコミュニケーションをとらなければならない、と改めて思ったこと。僕の拠点は今でも中国だと思っていますが、幸いインターネットのおかげでそんなに距離は感じていません」。そう丁寧に、考えながら話してくれる彼だからこそ、多数のベテラン俳優が登場する作品の中でも、印象的な存在感を放っているのだろう。ちなみに距離といえば、彼の役も直面する“遠距離恋愛”。「恋愛は距離に勝てると思う。気持ちの問題ですよ」。日本のファンには嬉しい一言だ。
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