2008年6月28日より、昆虫バトルが始まる!

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<イントロダクション>

目を凝らさなければ見ることのできない昆虫たちの小さな世界。だが、そこでは日夜、驚くほど壮大でドラマチックな物語が繰り広げられている。 『不都合な真実』や『ダーウィンの悪夢』、『ディープ・ブルー』や『アース』、『WATARIDORI』や『皇帝ペンギン』など、近年私たちを取り巻く環境や自然を地球規模のマクロな視点で捉えたドキュメンタリー作品が世界的に大きな話題となっているが、この『バグズ・ワールド』は、ミクロの世界にカメラを向け、昆虫たちの小さくも無限のバイタリティに満ちた驚異的な生態をリアルに観察することによって、命や自然の尊さを描く感動のネイチャー・ドキュメンタリー・ドラマ巨編である。  この映画の主役は、オオキノコシロアリ(学名マクロテルメス・ベリコサス)とサスライアリ(学名ドリルス・ニグリカンス)。要塞のような巨大な蟻塚に一大帝国を築くオオキノコシロアリと、集団で放浪しながら行く手にあるものを食い尽す凶暴なサスライアリ。これは、そのまったく生態の違う二種の昆虫による激烈な死闘の記録である。    監督は、科学、歴史、哲学といったテーマで数多くの作品を手掛けているフランス・ドキュメンタリー界の鬼才フィリップ・カルデロン。彼は本作に先立ち蟻の生態を追った、98年のドキュメンタリー『LA CITE DES FOURMIS』で、モントリオール映画祭の観客賞、トゥーロン映画祭の観客賞など、数多くの映画賞を受賞している。ナレーションは『さよならモンペール』『ビジター』などの映画のほか、声優として数多くのアニメーションに出演している俳優ベノア・アレマン。撮影はブルキナファソの東南部にあるパンフォーラ地区およびボボ・ディオウラッソ地区で全編HDカメラによって行われた。接写撮影にあたっては革命的に鮮明な映像を可能にする新機材ボロスコープ(BOROSCOPE)・レンズが使用され、本物の迫力に満ちた映画史上初の数々の映像の撮影に成功した。

<ストーリー>

西アフリカの中央サバンナの奥地に数メートルにも及ぶ巨大なオオキノコシロアリの巣である蟻塚が点在している。それぞれの巣では一匹の女王アリを中心に数百万匹のシロアリたちが、秩序正しく管理された帝国を築き、外敵の攻撃を防ぐための完全防御態勢が敷かれている。 その無敵の要塞に、獰猛で強力なサスライアリの軍団が迫っていた。その数、20,000,000匹! やがて始まる壮絶なる攻防戦、サスライアリの容赦なき攻撃はシロアリ軍の兵隊アリの守備をいとも簡単に撃破し、帝国は大混乱に陥る。果たしてシロアリの帝国はサスライアリの侵略を阻止することができるのだろうか!?

<ディレクター>

シロアリの要塞であるタワーの列を見て、その中に蠢く何百万という兵隊アリや働きアリを見た時、私はキューブリックの『スパルタカス』やリドリー・スコットの『グラディエーター』と同じ様な映画が撮れるのではないかと思った。そして彼らの印象的な戦いぶりや、敵の匂いを感じた軍隊が戦争に突入する所を見て、ウェルズの『フォルスタッフ』を思い起こし、蟻の先鋭突撃隊が、自動的にグループを結成し、シロアリのタワーに攻撃をしかけるところを見て『エイリアン』を想像した。またシロアリの要塞群そのものも、モダン・アートの旗手グルスキーを思わせるシュールな光景だった。 私はこの「3日間」の観察記録を、沢山の寓話や伝説を引き合いに出して物語ろうと思った。そこにはパワフルなビジュアル・イメージと象徴的な要素が溢れていたからだ。 一つの事件が次の事件につながり、シロアリのコロニーが弱体化した所に彼らを食い殺そうとする生物が待ち構えている。そこから始まる命を懸けた戦いはまるでSFアニメの戦いの様に見えるだろう。またシロアリのタワー型要塞もどこか古典劇の舞台を思い起こさせる。この劇場的構図はまたライティングに絶好の舞台を提供してくれた。 この映画は彼らの自然で興味深い動きをありのままに捉えながら、撮影のアングルやビジュアル展開によってフィクション・ドラマの様に描き出されたものなのだ。更にドキュメンタリーとしては研究機関に協賛を得て科学的裏づけもおろそかにはしていない。 私は昆虫にしろ、人間にしろ、我々が住む世界でどの様な動きがあるかを、ありのままに伝えたかった。それがこの映画で私が貫いた唯一の原則だった。 監督 フィリップ・カルデロン 1955年10月30日生まれ。フランス/パリ出身。 大学で法律と生物学を学んだ後、数々のドキュメンタリーの映画や優秀なテレビ用作品の制作を手がける。彼の映画は主に歴史、哲学、そして科学をテーマにしている。04年から2年間は本作「バグズ・ワールド」を手がけ、その後フランスで08年4月公開予定の子供映画「Me`che Blanche」を完成させた。現在フィリップ・カルデロンは宇宙をテーマにした映画を製作中である。

<作品情報>

監督:フィリップ・カルデロン 出演:オオキノコシロアリ、サスライアリ、ハゲワシ、カメレオン ナレーション:べノア・アレマン
製作:ティエリー・コミショナット、フランソワ・カルデロン、ベノア・ティエレ 撮影:ピオトル・スタドニッキ 音楽:フレデリック・ウェーバー
配給:エイベックス・エンタテインメント/トルネード・フィルム 2006/フランス/35mm/カラー/ビスタ/ドルビーSRD/82min 

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