24歳 男性
彼女と激しいケンカをし、いつもは大抵僕の方が折れていたのですが、その時だけは絶対にこっちからは連絡しない、と決めたのです。
二日目の夜、ようやく携帯電話が鳴りました。
彼女が一言「ごめん」と言ってくれればすべて許して仲直りするつもりでした。
ところが電話の向こうからは「これまであなたに貰った物を全部返したいから今すぐうちに来て」
という不機嫌な声が。そして「それから私が貸してたCDと本、持ってきてよね」とだけ言って切れてしまいました。
すっかり頭に血がのぼった僕は彼女のアパートまで自転車を走らせ、わざと乱暴にチャイムを鳴らしましたが一向に出てくる気配がありません。
騙されたと思った僕はもはや怒る気力も失せて帰ろうとしました。
すると後ろでドアが開く音がして、振り返ると彼女が立っていました。
「お誕生日おめでとう」
とっさに腕時計を見るとちょうど日付が変わったところでした。
24歳 女性
皆さんはサンタクロースを信じますか? 私の家には小学校6年生までサンタが来ていて、毎年クリスマスの朝には枕もとにプレゼントとサンタからの手紙が届きました。
サンタの手紙はいつも全部カタカナで書かれていました。それは心なしか父の字に似ているような気がしないでもありませんでした。
小学校3年生のとき、うちはクリスマス・イブに引越しをしました。新しい家でダンボールの山に囲まれながら母が「今年はサンタさんも新しい家がわからないから来ないかもね」と言いました。私はサンタが来ないかもしれないなんて考えもしませんでした。
次の日、枕もとには何もありませんでした。しかし12月26日の朝に目覚めると、そこにはちゃんとプレゼントと手紙が置いてあったのです。
手紙にはカタカナで「ミチニマヨッテゴメン」と書かれていました。
学校でそのことを話すと友達は皆「サンタなんていないよ」と言いましたが、私は「絶対にいる!」とゆずりませんでした。
しかしそれ以来、私の心には小さな疑いが芽生えました。
一度生まれた疑惑はどんどん膨らみ、消えることはありませんでした。それでも両親の前ではサンタを信じているフリをしていました。
私が中学生になったのを境にサンタはぴたりと来なくなりました。
それについて私も両親も何も言いませんでした。
今思えば両親だって娘が薄々感づいていることぐらい知っていたのでしょう。それでも何食わぬ顔をしてサンタを演じ続け、私もあえて騙されていました。
馬鹿げた遊びだといえばそれまでです。
しかしサンタからの手紙は今でも大事にとってあります。
あの頃たしかにサンタはいたのです。
もしかすると今だって…
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