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“負け犬”が巷を賑わせた2004年。30代、独身、子供なし…という定義ばかりがとり沙汰され、まるでダメ女を象徴する言葉として取りあげられていますが、『負け犬の遠吠え』の筆者、酒井順子が本来意図したものからやや離れ、言葉のみがひとり歩きしているふしがあります。

“負け”という言葉の印象から、結婚できないかわいそうな女とか、女として幸せでない人というネガティブなイメージを持っている人が多いようですが、本来は、長期ヴィジョンを持たずに目先の楽しいことばかりに心を奪われて、嫁がず、産まず、30歳を超えてしまっていたという、いわば人生満喫し過ぎちゃった人をさす流行語。でも、世間的には“負け”なんだという実情が、明確になったわけで、さらには、人生そんな簡単に勝ち負けが決まるもんじゃないけれど、そこを無理やり負けと定義するのも一興ということで生まれた表現です。

それなのに、言葉の響きのオモシロさゆえか、歪んで解釈されがち。著名な負け犬たちをいじるバラエティ番組も登場し、巷では勝ち組・負け組み対決が真剣に行われたりする始末。
いったいこの先どうなるのかと思っていたところ、昨年末から今年年始にかけて、負け犬たちの代表といわれていた人々、杉田かおるなどに春が訪れるという世間を揺るがすビッグ・ニュースが舞い込みました。

そして、酒井順子も「へーえ、ロンドンにも同類がいるんだぁ!」と素直に感動したという負け犬英国代表ブリジットにも、映画『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』では、春の気配が訪れます。負け犬たちこそ、巷を騒がす大どんでん返しを起こすことができるという事実に世間が気づき始めた今、“負け犬”を面白おかしく扱う時代は終わりを告げようとしているのです。
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さて、そうなると、これからスポットを浴びそうなのは、大きな注目を集めはじめている“おひとりさま”と“毒男”。
さて、彼らはいったいどんな人たちなのでしょう。

“おひとりさま”は、飲食店に1人で入ったときに、店員から「おひとり様ですか?」と尋ねられることから来た言葉で、故岩下久美子さんが考案し提唱したものです。彼女の意志を継いだ「おひとりさま向上委員会」によると、その定義は「人間として当たり前の個が確立している人」。
つまり、友達や恋人、家族との時間も大切だけれど、1人でいる自分を楽しむことのできる自立した女性の総称です。
出版社:ぴあ
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人気TVドラマ「SEX AND THE CITY」の中でも、「ひとりでいることを認める」というテーマが取り上げられていますが(第16話“すばらしき独身貴族?”)、成人女性が1人で食事をしたり、映画を観たりする時間はあって当然。
ひとりなんて、なんだかみじめに見えないかと、心配する女性も多いものですが、本来は1人でいることを恐れること自体がおかしなこと、というわけです。

もはや女性の世界では、結婚しているかしていないか、子供がいるかいないかなどという区別なしに、どんなライフスタイルを送っているか、どう毎日を楽しんでいるかが重要になっているのかもしれません。


そんな女性たちの裏に隠れていた男版“負け犬”が今後浮かび上がってきそうな気配です
。酒井順子も著書の中で触れています。「メスの負け犬が、世の中には大量にいる。……このことを逆から見れば、オスの負け犬も世の中にはたくさんいる、ということにもなります」と。

あるとき彼女は気づいたといいます。ある日曜の夜、実家からの帰り、1人で道を歩いていた時、前方から1人のアキバ系の見るからにおたくとわかる風貌の男性が歩いて来たのを見て「今、日本で余っているのはつまり、日曜の夜道を1人で歩く私みたいな女と、このおたくみたいな男なのだ!」と、理解したのだと。

そんな彼女が示した“オスの負け犬”たちがこれ。

自分と釣り合う年齢の男性がそれまで独身でいると、どこかに欠陥があるのかと思ってしまう、という酒井順子の言葉に、頷いた女性も多いことでしょう。

実は、そんなオスの負け犬たちは、自らを“毒男”と呼びます。毒男は、掲示板 2ちゃんねるから誕生した言葉で、独身男の意。それゆえ、ネットは毒男の巣窟。さまざまな毒男が入り乱れ、交流しているのです。

ところで、ここのところベストセラーとして話題となっている「電車男」は、毒男板(スレッド)から誕生したエピソードをまとめたもの。
女性と付き合ったことのないひとりの毒男が、電車の中で酔っ払いに絡まれている女性を救う。そしてひと目惚れ。その女性をデートに誘うために、2ちゃんねるの住人たちが、皆で知恵を出し合い、“成功”へのアドバイスを行う様子が克明に記録されているユニークな本。今後、こういった毒男関連の商品が続々誕生するとか。なんだか気になるところです。

2005年。さあ、今年はいったいどんな人々が日本を沸かせてくれるのでしょうか。
出版社:新潮社
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