 |
早くも今から、来年のアカデミー賞有力候補と囁かれている『シンデレラマン』。来年の賞レースをにらんで、少しでも有利に事を運びたいと考える映画製作者たちは、アカデミー会員に少しでも強い印象を残そうと、選考時期により近い年末あたりに、数々自信作の公開をぶつけてくる。そんな時期を前にして、すでにオスカーを期待されているのはなぜなのか。実はそこにはちゃんと根拠があるのだ。
まず、監督が『バックドラフト』『アポロ13号』『ビューティフル・マインド』など、人情味溢れるヒューマンドラマで高い評価を集めるロン・ハワードであること。アカデミー賞を受賞し、数々のヒット作を放つその才能が手がける作品であれば、自然に注目と期待が集まるというもの。そして今回は、子供の頃から興味を持ち続けていた大恐慌時代の人々を描くという、念願のテーマに挑戦している。主人公は、実際に彼自身が父親からその活躍について聞かされていたという実在のヒーロー、ジム・ブラドックというから、つまりは、満を持して制作された映画であり、大切な思いをも詰め込んだまさに入魂の一作なのである。 |
 |
|
 |
『ビューティフル・マインド』
第74回アカデミー賞作品賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞受賞 |
|
『アポロ13号』
第68回アカデミー賞作品賞、助演男優賞ほか計13部門ノミネート |
|
『バックドラフト』
第64回アカデミー賞特殊視覚効果賞ほか計3部門ノミネート |
 |
 |
 |
定価:¥3,990(税込)
発売元:角川エンタテインメント
発売中 |
定価:¥1,565(税込)
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売中 |
定価:¥1,565(税込)
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売中 |
|
 |
そんな作品を支えるキャストは、もちろん豪華だ。ブラドックを演じるのは、『グラディエーター』でオスカーを受賞し、翌年には『ビューティフル・マインド』で3年連続のオスカー候補となる快挙を成し遂げた名優にして、ロンの盟友、ラッセル・クロウ。プロボクサーという役に合わせて18キログラムの減量に成功し、チャーミングな家族思いの人物を演じて新境地を切り開いている。
さらには、モハメド・アリ、シュガー・レイ・レナードら名ボクサーを育てた一流トレーナーについてトレーニングを行った結果、プロがうなるほどの技術を習得し、ブラドックの癖や動きも再現した。そのうえ、リアルなファイトシーンをも実現させ、オスカー俳優の実力をいやというほど見せ付けてくれるのだ。さらについ先日は、暴力沙汰をおこして逮捕されるというスキャンダルまで提供してくれた。ちょうどいい時期に人々の関心をさらに高める、なんとも"グッドタイミングな男"ラッセルのおかげで、『シンデレラマン』の話題性も抜群というわけである。 |
 |
|
 |
 |
そんな『ビューティフル・マインド』のゴールデンコンビを、さらにアカデミー賞へと近づけているのが、やはりオスカー・ホールダーのレネー・ゼルウィガーだ。『ブリジット・ジョーンズの日記』『シカゴ』と2年連続でアカデミー賞主演女優賞候補になり、『コールドマウンテン』で念願の受賞(助演女優賞)した。ロン・ハワード、ラッセル・クロウに勝るとも劣らない、オスカーと相性の良い人物である。実力があるのはもちろんなのだが、常に違うタイプの役に挑戦しつつ、すべてをレネー・スタイルで演じ切る力は若手の中でも相当なもの。35歳にして、ハリウッドの頂点に立つ、ほんの一握りの役者の仲間入りをしているのだからたいしたもの。
そんな彼女が今回演じるのは、夫を立てる少し控えめなブラドックの妻、メイである。劇中、メイがそうしているように、レネーは夫役のラッセルを支え、抑えた演技で彼を引き立てているのがいつにも増して好印象だ。
|
|
 |
さらに脇役陣に、『サイドウェイ』で、昨年の映画界を湧かせた個性派俳優ポール・ジアマッティ、ブロードウェイでも高い評価を得ているクレイグ・ビアーゴを迎えているのだから言うことなし。
こういった事情に加え、描かれる物語は実話を元にした奇跡のドラマなのだから、期待できないはずもない。大恐慌時代に、希望を失った人々に勇気を与えたヒーローの物語は、あなたの心をも温めてくれること間違いなしだ。
「これ以上何を望む?」と言いたくなるほどの『シンデレラマン』。そして今、あなたの期待も最高潮に達したのではないだろうか。 |