色を決めること、ひと言で説明すると、これが色彩設定の仕事である。 この『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』シリーズは、毎回九課のメンバーに加え、相当数の登場人物が登場する。その登場人物が動く背景に合わせて、すべての人物、物、乗り物などの色を決定していくのが片山さんの仕事だ。

一番気を使うのは「早く、きれいに、丁寧に」と話してくれた。かといって背景に浮かないようにきちんとしたラインを保ちつつ、色替えが多いのでチャッチャと作業を進める事が一番重要なのだそうだ。「この作品は普通のテレビアニメの3〜5倍くらいのボリュームがあるんです。だからやる気を出しては色を変え、という風に進めています。根気も必要ですね。」

そう話す片山さんの机には馬がいっぱい置いてある。「馬が好きなんですよ。とっても。競馬場にもよく行きますし、見ていて和まされますね。今のお気に入りはこれです」と見せてくれたのは、携帯電話にはいささか不似合いな大きさのマスコット。押すとヒヒ〜ンと嘶くのだ。そんなかわいらしい馬のぬいぐるみや写真に紛れて、本格的な競馬の本も…。GIの季節にはプロダクション I.Gの社内サイトに予想を出しているそうだ。

そもそもこの世界に入る事になったきっかけは、たまたま空いていた仕上げをやってみるかと言われたことだったそうだ。最初は「バイトだったんです」と明かす片山さんだが、今や『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』の色彩設定は、すべて彼女の手に掛かっている。そんな片山さんはお母さんでもある。お気に入りの作品はもちろん馬が大活躍する「みどりのマキバオー」だ。

「子供がハマったんですよね。普通、子供って飽きやすいから一度見たらすぐ見なくなっちゃったり、飽きちゃうもんなんです。だけど、マキバオーだけはビデオ屋さんに行って返してもまた借りるんです。もう3、4周くらいは借りました」と話す。「子供が夢中になるようなアニメって凄い良い作品なんだと思いますよ。」

そんな彼女の仕事上必須アイテムは、目薬と飲用する目の薬だ。「仕事をする前に薬を飲んで、夕方くらいになったらまた飲む。効き目を継続させてどうにかやるんです。それに画面を見続けているから目がパサパサになります。だから目薬もダバダバ入れてるんですよ」と言いながらも、実に楽しそうだ。

ポイントは“チャッチャと、しかし外さないように”。それを楽しんでやっている雰囲気が伝わってくるのだった。
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