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31歳でプロボクサーを目指す主人公のマギー。ボクサーになる夢を追うには遅すぎるといわれても、1人のトレーナーとの出会いによって才能を開花させる彼女の姿は、いくつになっても夢を追いかけ、実現させることは信念次第で可能なのだと教えてくれます。でも、これは映画の中の物語…と思っているあなた。実社会でも、マギーのような遅咲きの花たちはいるのです。
その代表格として、世界的に知られる遅咲きセレブといえばこの人、J.K.ローリング。ご存知、大ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親。 1965年、英国ウェールズ生まれの彼女が、ポルトガル英語教師となり、結婚、 出産、離婚を経て、「ハリー・ポッター」の出版にこぎつけたのは1997年のこと。32歳にしての成功というわけです。
シングルマザーとして、生活保護を受けながらも、小さい頃から好きだった“物書き”への夢を捨てなかったのは有名な話。カフェで1杯のコーヒーを飲みながら、寝ている子供の傍らで物語を書き続けた結果は誰もが知るとおり。彼女が最初に物語を書いたのは5歳のときだったとか。実に、27年もの歳月を経て、彼女は予想以上に大きな夢にたどり着いたということなのかもしれません。

日本の女性作家では、川上弘美も活動開始はやや遅め。
教師として働いた後、結婚し専業主婦となり、その後、「神様」で第1回パスカル短編小説文学新人賞を受賞しデビューしたのは、1994年、36歳のとき。その後も、96年に「蛇を踏む」第115回芥川賞、01年には「センセイの鞄」で第37回谷崎潤一郎賞など、コンスタントに秀作を発表し、数々の賞を獲得している。一生作家として芽が出ない人もいることを考えると、彼女たちの文壇デビューは決して遅くないのだけれど、一度家庭に入った女性が一念発起するのは大変なこと。でも、あきらめずに新しい人生をスタートさせた彼女たちは、遅咲き派と呼べるはず。
フェイシャルセラピストとして大活躍中のかづきれいこは、幼い頃から患っていた心臓病を30歳で克服し、自らの体験を基にメイクを学び、“リハビリメイク”を確立しました。
医療機関と連携しながら、傷ややけど痕のカバーだけでなく、精神のケアも行っている、女性たちの強い味方です。今や、全国各地での講演活動、本の執筆、専門家の育成など、その精力的な仕事ぶりは注目の的となっています。

また、フリーダイバーとして活動する高木沙耶が、モデル、女優を経てダイビング・インストラクターの資格を取得したのは37歳のとき。その後、わずか1年のトレーニングでめきめき頭角を現し、日本記録も打ち立てたことも話題になりました。

パワフルな歌声とユニークなキャラクターで人気を集めるジャズシンガーの綾戸智恵は、17歳で単身渡米。ニューヨークで音楽活動を行い、帰国。1998年にプロとしてのファースト・アルバム「For All We Know」をリリースしたとき、彼女は40歳になっていました。
2001年には第51回芸術選奨文部科学大臣新人賞(大衆芸能部門)を受賞。チケットが最も取りにくい歌手とも呼ばれ、今や日本を代表するアーティストに。そんな彼女の何事に対しても一生懸命な姿勢は、自伝エッセイ「マイ・ライフ」に綴られています。

そして、シャンソンの名手として女性から圧倒的な支持を得ているクミコも遅咲きの大輪と呼べるでしょう。プロとして活動をスタートしたのは28歳のときだけれど、今ほどの人気を獲得したのは48歳を過ぎた2002年ごろのこと。アルバム「愛の讃歌」に収録されている「わが麗しき恋物語」を聴いた人々の間で、涙が止まらないと話題を呼び大きな話題に。
2003年には急遽シングルカットされ、今も根強い人気を誇っているのは周知のとおりです。
もちろん、映画界にも遅咲きの花はたくさん。
最近では、オーストラリア出身の女優ナオミ・ワッツの躍進が印象的。
10代で演技を始め、1986年には『For Love Alone』でスクリーン・デビュー。早くからハリウッドに進出し、95年には27歳で『タンク・ガール』に出演。注目を集めはしたものの、その後は作品に恵まれず無名に近いままだった。

そして、運命を変えたデヴィッド・リンチ監督作品『マルホランド・ドライブ』と巡り会ったのが2001年、33歳のとき。その後は、主演作『サ・リング』が大ヒット。『21グラム』でアカデミー賞のノミネートを受けるなど、演技力にも高い評価を得ています。まさに、ハリウッドのトップ・スターとなりました。
ところが、遅咲きという意味では、ナオミ・ワッツなど足元にも及ばない“大物”がいるのです。それが、ポーランド生まれ、パリ在住のおばあちゃん女優、エステール・ゴランタン。
99年、『故郷への旅』のオーディションに受かり、85歳にして映画初出演を果たしたつわもの。この作品での演技が評判となり、アルビ映画祭最優秀女優賞を受賞。その後も、多くの出演依頼を受けている人気ぶり。最近では、90歳を目前に『やさしい嘘』で重要な役を演じ、日本の映画ファンも魅了しました。
彼女たち以外にも、遅咲きのセレブはまだまだ世界には大勢います。
最短距離で夢にたどりつければベストだけれど、そうはいかないのが人生というもの。ハリウッドではアイドル・スターたちがブームを巻き起こし、日本でも10代の作家やプロゴルファーの台頭も目覚しいけれど、誰もが彼女たちのようにはなれません。
とはいえ、紆余曲折があったって、時には迷いがあったって、結果的になりたい自分にたどりつければこちらのもの。「その夢を追うには遅すぎる」なんて、もう誰にも言わせない!?