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5月28日の公開を前に、『ミリオンダラー・ベイビー』のプロモーションのため来日したヒラリー・スワンクとモーガン・フリーマンが、25日に開かれた記者会見に揃って登場しました。今回が初来日となるヒラリーは、美しいクリスチャン・ディオールの花柄シフォン・ワンピースを身に纏いミリオンダラー(百万ドル)の笑顔を披露すれば、来日4度目となるおなじみモーガンは名優の貫禄満点だ。オスカーを受賞したばかりの、名優のツーショットが見られるとあって、会見には多くの報道陣が集まった。また、会見後には、栗山千明が登場。花束を贈呈し、2人と間近で接した喜びを語っていた。
●MC:まずは自己紹介からお願いします。

ヒラリー・スワンク(以下ヒラリー): 「今回初来日です。日本に来られてとっても嬉しい。たくさんの方に来場していただき感謝しています。モーガンとは何度かお会いになっていると思いますが、私とは初めてですね。『ミリオンダラー・ベイビー』のPRで伺えたことを本当に嬉しく思っています」

モーガン・フリーマン(以下モーガン): 「オハヨウゴザイマス(笑)。4度目の来日です。日本は素晴らしい国ですので、来日できて大変嬉しく思っています。今回は、素晴らしい映画のプロモーションということ、そしてとても美しい女性と一緒ということで喜んでいます。たくさん集まりいただきありがとうございます」
●MC:まずは、オスカー受賞おめでとうございます! 実際に出演されたお2人から見て、『ミリオンダラー・ベイビー』がオスカーを受賞できた勝因は何だったと思いますか?

ヒラリー: 「心に訴える映画だからでしょうか。リアルな人々のリアルな物語で、普遍性を持った作品だからではないかしら」

モーガン: 「物語や映画自体について言えば、ヒラリーの意見に同感だね。アメリカのアカデミー賞の伝統からすると、もし主人公が心に傷を持っていたり、車椅子に乗っていたり、動けなかったりするとたいてい受賞できるものなんだよ(笑)」

ヒラリー: 「あと、クリント・イーストウッドが監督だったというのが大きいんじゃないかしら」

●MC:実際に主演女優賞、助演男優賞を獲得した感想は?

ヒラリー: 「ほんとうに光栄。でも、驚きでもあったわ。いまだに実感がないから、ときどき自分をつねってみたりするの。今回ノミネートされた女優の皆さんはどなたも素晴らしく、同時に尊敬している方々ばかり。だから、いまだに信じられないのよ」

モーガン:「受賞できたことは、本当に嬉しい。でも一番素晴らしいことは、私1人ではなく、クリント、ヒラリー、そして作品も受賞できたということ。それが何より素晴らしい気分にさせてくれたんだ」

●MC:ヒラリーさんに質問です。試合のシーンはかなり迫力がありましたが、うっかり殴られたり、パンチを浴びたりしたことはありましたか?

ヒラリー: 「何度もパンチを浴びたわ! でも、おかしいかもしれないけど、いいことでもあったのよ。だって、ボクサーの気分を味わえたから、役作りに役立ったし。私のトレーナーは、フェイスガードをさせてくれなかった。あれをつけると頭の動きが鈍くなってしまうから。ボクサーにとっては頭の動きは重要なのよ。最後の対戦相手を演じたルシア・レイカーというプロ・ボクサーとの試合シーンでは、
5種類ほどの動きがあったの。彼女から右フックを浴びるときは、必ず下によけるという約束だったのに、あるときそれをすっかり忘れてモロにパンチを浴びちゃったのよ。だから、Tシャツを作るなら、“私はルシア・レイカーに殴られ、そして生き延びた”っていう文言を入れるわ(笑)」

●MC:今回の映画は、お2人にクリント・イーストウッドを加えた3人の演技のアンサンブルが大変な魅力ですが、それぞれ共演の感想と影響を受けた点がありましたら教えてください。

モーガン: 「クリントとは2度目の共演で、今回は非常に楽しみにしていました。ヒラリーの作品もいくつ
か見ていましたので、やはり楽しみでした。いろいろな作品で多くの方と共演すると、必ず何らかの影響を受けるものです。ちょうどチェスの名手と対戦すると自分も上手くなるということがあるように、素晴らしい俳優と共演すれば、素晴らしい作品ができあがるのだろうと思います」

ヒラリー: 「モーガンの意見に大賛成よ。私の場合は、モーガンとクリントと共演するということは、大きな夢がかなったことを意味します。この作品に出演したことは、人生そしてキャリアの中で最も素晴らしい経験だった。また2人とぜひ共演したい。彼らは経験豊かだし、いつも2人の才能にあやかりたいと、腕を取ってはそれを自分にこすりつけていたのよ(笑)」

●MC:ヒラリーさんは初来日ということですが、日本の感想は? すでに観光を楽しまれたそうですが、どんなことをされたのか教えてください。モーガンさんがヒラリーさんにすすめる観光スポットはどこですか?

ヒラリー: 「日本はずっと来たかった国だから、今回そのチャンスがやってきてうれしかった。いろいろな人からいろいろいいことを聞いていたけれど、それは全部本当だったわ。みんな優しくて、心が広くて、礼儀正しい。世界中いろいろなところに行ったけれど、一番親切な国ね。街も美しいし。やることも観るものもいっぱいあるけれど、インタビューが多くて(笑)。でも、ショッピングには少し行ったわ。お寺にも行きたいし、京都にも行きたいわね」

モーガン: 「私がアドバイスをするまでもないみたいだね。前回、大阪、京都に行ったけれど、とても素晴らしかった。ぜひ、電車で京都に行くことをおすすめするよ」

ヒラリー:「わかった、そうするわ」

●MC:ヒラリーさんへ。マギーはヒラリーさんと近い31歳という設定でしたが、積極的に夢を追いかける女性についてどう思いますか?

ヒラリー: 「マギーは私がこれまでに演じたどんなキャラクターよりも自分に近いの。育った環境もね。夢を求め、私を信じてくれた人がいたからここまで来られたと思う。とてもラッキーだったわ」

●MC:監督としてのクリント・イーストウッドの最大の魅力は? 他の監督ではあまりない演出方法などがあれば教えてください。
ヒラリー: 「クリントはとても特殊な人物で、彼のような人は他にはいないわ。才能も素晴らしい。その仕事にぴったりな人を選んだら僕の仕事は終わり、後はその人に任せるんだと彼はいつも言っているけれど、映画を観て気づいたのは、クリントはやさしく私たちを導いてくれたということ。特に何かを強制することはないけれど、常に注意を向けている。人間的にも素晴らしい人よ」

モーガン: 「彼自身が俳優であるから、この仕事をよく理解しているために、役者を尊重くれるということが魅力だね。作品を理想的な方向へ導いてはいるけれど、俳優に演技指導をするなんてことはないんだ。ひとりひとりが役を理解しているという認識のもと、俳優には自由を与えてくれる。そこが彼に感謝しているところだね。あと、他の監督と違うところは、“アクション!”“カット!”と言ったりしない。“いつでも準備ができたらどうぞ”と言い、“ストップ”と静かに言うんだ。自然にセットに入り込み、そして自然に消えていくんだよ」

●MC:何か撮影中のハプニングなどはありましたか?

モーガン: 「それはマズい質問だな。なぜって、私が知る限りでは、クリントは準備を万端に整える人だから、びっくりするようなことは何もなかったんだ。時間通りだし、予算超過もなかったよ」

ヒラリー:「私がパンチを何度も浴びた以外にはね(笑)」