アメリカ、イギリスをはじめ、ドイツ、スペイン、メキシコ、ブラジル、そしてインドネシアにマレーシアなど、 世界各国でオープニング第一位を飾る『ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女』。3月4日、 日本でもついに“ナルニア国への扉”が開く。記念すべきその日を前に、監督のアンドリュー・アダムソンが来日した。 初の監督作『シュレック』が世界で大ヒットを記録しただけでなく、アカデミー賞長編アニメ作品賞を見事受賞。 続編である『シュレック2』もメガヒットを飛ばし、もはや飛ぶ鳥を落とす勢いの注目監督となったアダムソン監督。 その彼が、実写初監督作として挑んだのが、超大作『ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女』だ。 「実写を撮ってみて、一番苦労したのは天気だね。自分ではどうしてもコントロールできないものだから。それから、 あのスケールにも苦労した。戦闘シーンでは約1000人ものスタッフを引き連れて、大勢のエキストラたちを指揮するわけだから、 まるで軍隊を率いているようだった。そこに、天候が崩れてくれば大変なことになるわけさ(笑)」。 一方で、演出するのが難しいと言われる子役との仕事は楽しいものだったと話す。「4人の子役たちは、 演技経験がないがために、非常にオープンだったんだ。子供というのは想像力が豊かだったので、それは利点だった。 言葉を喋る動物にも躊躇なく自然に馴染んでくれたからね」。言葉を喋る動物たちは劇中で、 ファンタジックなムードを盛り上げている。彼らにリアリティを持たせるために、ひときわ気を遣ったと言う。 「動物たちを、キャラクターとして人間のように見てもらいたかった。彼らはCGで描かれているから、それを意識されるのは困る。 キャラクターとして信じられるものにするというのが一番大変だったかな」。 そもそも、アダムソン監督はドリームワークスのビジュアル・エフェクト・スーパーバイザーとして活躍していた人。 それゆえ、視覚効果はお手の物だ。「長いことCGに携わってきたから、CGというものを物語を語るひとつの手段として使うことに 特別意識せずにすんだよ。派手で、それだけに注目が集まるようなヴィジュアル・エフェクトは避けたかったので、 ストーリーを支えるものとして使った。CGのことは忘れて、クラシックな物語を楽しんでもらいたいね」。 左から:アンドリュー・アダムソン監督、ティルダ・スウィントン、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、 アナ・ボップルウェル、ウィリアム・モーズリー、マーク・ジョンソン(制作)
ここ数年、ファンタジー映画がヒットを飛ばしている中で、満を持して登場した本作。 「比較されるのはやむを得ない。でも、それぞれが特徴を持っていると思う。『ハリー・ポッター』は様式化された世界を持つ。 かなり普通ではない状況が描かれているし、ハリーのおじさんやおばさんは漫画的でもある。 『ロード・オブ・ザ・リング』は完全なるファンタジー世界。それに比べて『ナルニア国物語』は、リアリティのある子供たちが、 第二次世界大戦中というリアリティのある状況からファンタジー世界に入っていく。 一番、その世界に入りやすいと言えるんじゃないかな」。 そんな彼が物語に出会ったのは、わずか8歳のとき。小説『ナルニア国物語』のいちファンから、 映画『ナルニア国物語』の監督へ。物語との関係を深めた今、映画制作について振り返ってもらった。 「映画化に当たっては、8歳の時に抱いた印象や思い出をそのまま映像にしたんだ。例えばクライマックスの戦闘シーンは、 原作の中では1ページ半しかない。でも、記憶の中では、その場面がものすごく広がって、 神話的な生き物が闘うという壮大な場面だったんだ。こんな風に記憶からインスパイアされて数々のシーンを作ったけれど、 改めて作品を観てみると、子供の頃の記憶からもさらに進化していると思うよ」。 子供時代からのお気に入り作品を映像化するに当たり、一番大事にしたのは原作が持つ雰囲気だったそう。 「大人になるにつれ、失われてしまう世界というのがあると思う。人は成長すると皮肉っぽくなって、想像力がなくなるから(笑)。 だから、子供時代に感じたような、驚きというものを表現したいと思ったんだ」。 ファンタジーの古典である『ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女』。監督が話しているように、 子供の頃の無邪気な心を思い出して、大いに楽しんでいただきたい1作である。 「こんなにも大勢の記者を集めるくらい、大きなプロジェクトなんだと思いました。出演する子供たちを選ぶのに長い月日をかけたのもわかるような気がしました。またティルダ・スウィントンは白い魔女のクールなイメージ通りの女優さんでした。」(左:森松知子さん・22才会社員) 「映画もみなさん楽しんで作っていたようで、きっと面白い映画になっているのではないかとますます楽しみになりました。白い魔女役のティルダは映像以上に美しく、時折みせるお母さんの顔にも親しみが持てました。人を信じる、家族を大切にするなど誰でも見て考えさせられるテーマがよく伝わり、期待が高まりました。」(右:久郷樹里亜さん・36才主婦) |