2軒梯子である。梯子と言っても持ち帰り用の寿司をもらう為の梯子である。1つは夕食。もう1つは明日の朝食である。もちろん初体験である。夕食の持ち帰りは、四谷の「みこし寿司」という、いかにも賑やかそうな寿司屋で作ってもらう。
この包みを見ると僕は小さい頃を思い出す。最近のイシコを知っている仲間内からは信じられないと言われるが、小さい頃、身体が弱かった。小児ぜんそくを煩っていたのである。季節の変わり目は、いつも学校を休んでいた気がする。そんな僕に祖母は、かなり過保護であった。寝ているといつも寿司を買ってきてくれた。今から考えれば、病人に寿司っていいのかどうかも考えものであるが、寿司が大好物だった僕を少しでも喜ばせようと思って買ってきてくれたのである。そして、その包み紙は、これと同じ魚の名前が、いっぱい書かれた包みであった。だからといって、僕は様々な魚の漢字が書けるようになったわけでもなく、魚に詳しくなったわけでもない。
そういえば、以前、ニューヨークで腕に、「魚神」と書かれたタトゥを入れている人を見かけたことがある。釣りが大好きな人なんだろうなぁと勝手に思っていた。今、この包を見ていて、ふと思った。ひょっとして、彼は、シルベスタースタローンのお母さんのような人に前世を「鰰(はたはた)」と言われて、タトゥを入れたのかもしれない。そういえば、魚という字が気持ち細かったような。そんなわけないか。
使ったお金:1,995円
残金&原稿料:160,188円