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TOP INTERVIEW FAST FOOD OF JAPAN VEGAN
『スーパーサイズ・ミー』。直訳すると「僕を巨大規模にしておくれ!」となるわけで、とにかくファーストフードを食べて食べまくること30日。その過酷な実験を自らすすんで体験し、世界に驚きとある種の感動を振りまくモーガン・スパーロック監督。この“実験”のアイディアを思いついたのは、2002年の感謝祭でのことだったと教えてくれた。「アメリカでは感謝祭にたくさんのごちそうを食べるんだ。その年も実家に帰って母の手料理を食べ、ソファに寝転がってテレビを見ていたら、肥満の姉妹がマクドナルドを訴えたというニュースが流れてきたんだ。最初は普通に見ていたんだけど、その後マクドナルドのスポークスマンが出てきて“我々の食品と彼らの病気や肥満とは何の関係もありません”と言ったんだ。さらに“我々の食品は非常に栄養価も高くヘルシーです”ともね。そこで、そんなに栄養があってヘルシーならば30日間食べ続けても身体に害はないだろうと思い、だったら食べてやろう! と閃いてしまったんだ」。

こんな前代未聞、世界“最高”のアイディアを思いついてしまったモーガン。10月15日に都内で行われた会見では、なぜ自ら被験者となったのか、その理由についてこんなふうに答えている。「自分がやりたくないことを人に頼んだりしたくなかったのが第一の理由。それから、僕はスポーツ実況の仕事をしていたから、カメラの前でリポートをするのは馴れていたということもある。それと、もし誰か他の人に頼んだら、100%実験の結果を信頼できないとも思ったんだ。その人が夜になって家に帰り、ドアを閉めて、隠れてアスパラやカリフラワーを食べるかもしれないだろ(笑)」。


こうして始まった恐るべき人体実験。30日後、モーガンを待ち受けていた結末は…もちろん映画を観てのお楽しみ。体調がどんな風に変化し、体重がいったい何キロ増量したのかは、ここでは伏せたままにしておくが、長く過酷な1ヶ月だったのはお察しの通り。本人も、その体験は「最悪だった」と語っている。だが、最悪な実験がもたらしたものは、彼自身の体の最悪な変化だけではない。『スーパーサイズ・ミー』が、2004年1月のサンダンス映画際で最優秀監督賞を受賞し、世界的な注目を集め始めた頃、マクドナルドは“スーパーサイズ”の廃止を決定。ヘルシーメニューの発表も行ったのだ。それでも、この作品は企業批判を目的としたものではないとモーガンは言う。「この映画を作ったそもそもの目的は、これを観た方々に改めて食生活を見直してもらうことだったんだ。でも、それ以上の反応があり、親たちが子供や家族の食事に気をつけるようになったり、子供のお手本となるように自らの食べ物にも気を配るようになったり、学校給食を見直す動きが出てきたりと広がっていった。これはまったく予想外の大反響だったよ」。

異色のドキュメンタリー作品によって、現代人が抱える食生活の問題に一石を投じた彼は、映画について「96分全編みどころ」と語り、会見ではドキュメンタリーという分野についてこんなことも話している。「これまで世界のメディアは、水で薄められたような真実を報道してきた。だから、ドキュメンタリー映画というのは作り手が言いたいことを検閲を受けずに言い、事実を伝えたいように伝えることの出来る最後の砦なんだ。今、世の中がドキュメンタリーブームなのも、メディアが伝える“真実”とされるものに、みんなが疑問を持ち始めたからじゃないかな」。

こんな思いとともに届けられたこのドキュメンタリーには、モーガンが実際に体感した真実が克明に記録されていて、食に関する情報も豊富だ。でも、肝心なのは、この映画が有益でありながら、説教くさいわけでも、難しいわけでもなく、とことん“面白い!”ということ。「ぜひ友達、両親、犬やら猫やら熱帯魚やらペットのみんなを連れて観に来て下さい。本当に楽しい映画ですので」。これがモーガンからcinemacafe.net読者へのメッセージだ。

ところで、滞在中に日本の代表的なファーストフードも体験した彼。鮨、立ち食い蕎麦、牛丼をたいそう気に入った様子で「美味しい!」と大喜びだったとか。さらには、日本にしかないモスバーガーのライスバーガーを体験し、「これはおすすめ」と御機嫌だったと伝え聞く。「日本には美味しいものを食べさせてくれるところがあまりにもたくさんある」と、もちろん滞在中にマクドナルドに行くつもりはないと話していたとか。「実は、築地の魚市場でお鮨を食べたんだけど、本当に美味しかった。久しぶりに美味しいお鮨を食べたよ」と会見でも、日本の鮨を大絶賛。どうやらモーガン・スパーロック監督は、ホンモノの味がわかるなかなかの食通ということらしい…。