現代のニューヨークで、一人の郵便局員が起こしたある殺人事件。その事件を解く鍵は、1944年のイタリア・トスカーナにあった——。第二次大戦下のイタリアにおける“セントアンナの虐殺事件”と黒人部隊“バッファロー・ソルジャー”にまつわるある奇跡を描いた『セントアンナの奇跡』。監督を務めるのはスパイク・リー。彼にとっては初めて戦争を描くことになった本作。そこに込めた思いとは?
約20年にわたってアメリカ黒人社会を描き続けてきたスパイク・リー監督。黒人男性と白人女性の恋愛を描いた『ジャングル・フィーバー』、黒人解放指導者の伝記『マルコムX』、犯罪ヒューマン・ドラマ『クロッカーズ』など、様々な切り口で数多くの作品を手がけてきた彼が、新作の『セントアンナの奇跡』で初の試みに出た。それは戦場を舞台にしていることだ。