自身に潜む芸術性と感情をエロティックに解放するダイアン・アーバスの物語
『セクレタリー』('02)でSM行為に耽る上司と自傷癖のある秘書の関係を描き、世界から注目を浴びたスティーヴン・シャインバーグ監督。彼が次の題材に選んだのは伝説の写真家ダイアン・アーバスだ。パトリシア・ボズワースの伝記「炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス」をベースにした芸術と愛とエロスの物語であるが、いわゆる伝記風に仕上げるのではなく事実に虚構をアレンジ。貞淑な写真家の妻が多毛症の隣人と出会うことで自身の中にある芸術性と感情を解放していく姿をエロティックに美しく炙り出していく。