史上最大級のブリザードで真っ二つになった巨大タンカー。小型救助艇を操り、たった4人で命がけの救助に向かう男たち。史上もっとも不可能な救出ミッションを描いた、実話に基づく感動のドラマチック・3Dアクション『ザ・ブリザード』。シネマカフェでは本作に登場する2人の”熱い男”の魅力を徹底解剖!クリス・パイン演じるバーニーのような”奥手男子”の攻略法を特集します。
真冬の海に吹き荒れるブリザード(嵐)によって巨大タンカーが真っ二つに裂けてしまう海難事故が発生! 定員12名乗りの小型救助艇で救助に向かったのは若き沿岸警備隊(コーストガード)のバーニーと3人の仲間たち。何としても32人の生存者を助けたい! と救出不可能だと思われたミッションに挑む。それは、木製の小型救助艇の定員以上の生存者が居ること、そして鋼鉄のタンカーをも引き裂き裂いた風速40メートルを超える激しい吹雪と、高さ20メートルをゆうに超える巨大な波、史上最大級のブリザードで荒れ狂う海でのミッション。自殺行為に等しい選択だったが、バーニーたちは決死の覚悟で難所へ向かう。一方、巨大タンカーでは、生き残った仲間を助けたい! と確かな技術と経験でタンカーの沈没をくい止める一等機関士のシーバート。2人の男たちを軸に繰り広げられるこの物語、実は今から64年前、1952年の2月に実際に起きた事件というのも驚きだ。
ありえない救出劇の背景には、バーニーと彼を愛するミリアムとのラブストーリーもあり、ただでさえハラハラなのに恋愛のドキドキも加わって、最初から最後までハラハラドキドキの連続! もしかすると生きて帰ることは難しいかもしれない…命の保証がないなか、木製の小型救助艇で荒れ狂う海に出るバーニーの支えになったのは、恋人ミリアムの存在だった。救出に出る前日に彼女からプロポーズを受けたけれど、戻れるか分からないのに結婚の約束をしてもいいのか…という迷いから返事をしないまま海に出てしまった。その心残りが──必ず戻って返事をする! 必ず想いを伝える! という生き延びる目的に変わっていく。嵐によって引き裂かれた恋人たちの運命は…。
凄まじいブリザード、真っ二つに裂けた巨大なタンカー、いったいどうやって撮影しているんですか? という驚きっぱなしの迫力ある映像ももちろん見どころですが、絶体絶命のなかで悩める男たちの姿がこれまたドラマチックなんです。バーニー&シーバート、2人の熱い男の魅力に迫ります。
とにかく“真面目”。仕事においても恋愛においてもその真面目さは変わらない。一等水兵である彼は若いながらも地元の海を知り尽くしている。ふつうなら新任の司令官クラフ(エリック・バナ)が無謀な指令を出したとしたら、現場を知っている者としてそのミッションが可能かどうか意見を申し立てそうだが、彼にとって上司の命令は絶対──できるかできないかが問題なのではなく、自分に与えられた任務をどうやって遂行するのかを考えるタイプ。超真面目。ある意味、自分に自信があるからこその行動とも言える。だが、恋愛となると途端に奥手。上司に結婚の許可をもらおうとあたふたしたり、そうこうしているうちに彼女から逆ポロポーズされてとまどったり。でも、そのギャップが女心をくすぐる!
「誰も死なせはしない!」と沈没寸前の巨大タンカーに残された32名の救助に向かうバーニー。無謀だと言われても命を懸けて救出に向かう、そこには過去に救えなかった命への後悔があった。だからこそ今回は何としても救う! 絶対に救い出す! という熱く強い想いを胸に、難所であるチャタム・バー(砂州)を越えようとする姿は何とも頼もしい。海へ出る前は、ベビーフェイスという理由もあって、本当に頼れる男なのか? という多少の不安を抱かせつつも…実はものすごく頼りになる男。大波によって救助艇のフロントガラスが割れても、コンパスを失っても決して引き返そうとはしない。一度決めたことは絶対にやり通す真の強さを持っている。
真面目さ、頼りになる、情熱を持っている…など仕事のできる男は当然、女性にモテる。おまけにバーニーを演じるクリス・パインは超イケメン! このルックスならどんな女でも確実に惚れるだろうとつい見た目で判断しがちだが、そうじゃない! 彼が本当に魅力的なのは、ミリアムとデートしようと思ったきっかけ、会ってみようと思ったきっかけが──ひと目惚れではなく電話での会話が「楽しかった」こと。見た目や肩書きではなく中身を重視していることからもバーニーの性格の良さが伝わってくる。しかも演じるのはクリス・パイン。今回は普通の男の役だけれど、これまでに演じてきた『スタート・レック』シリーズ、『エージェント:ライアン』『ブラック&ホワイト』などのヒーロー役が活かされている!
船首と共に船長が漆黒の海に沈み指揮系統を失った船尾のタンカーでは、船の構造に一番精通しているシーバートがリーダーに選ばれる。俺がリーダーになる! と率先して前に出るタイプではなく、真っ二つに割れ沈みかけたペンドルトン号に残された船員の命を守るためにはどうすべきか、これまでの経験と知識で危機を乗り越えようと奮闘する姿がなんとも男らしい。決して口数が多いわけでも愛想がいいわけでもないけれど、船員たちが慌てるなか常に冷静で的確な判断を下すことで、自然と船員たちも彼をリーダーとして認めていく。一癖も二癖もありそうな海の男たちに認められたシーバートは、まさに男の中の男。言葉よりも行動で示すことで、いざという時に放つ“ひと言”がより響いてくる!
荒れ狂う海のど真ん中で沈没しかけた巨大タンカー。海の男とはいえ命を左右する危機が目の前に迫ってくればパニックになって当然。船員たちも、沈むのは時間の問題であることがわかると我先にと救命ボートで脱出をはかろうとする。そんな時でもシーバートは冷静沈着。この嵐では救命ボートは荒波に煽られ船に叩きつけられ木っ端微塵になってしまうと判断し、殴りかかってこられても救命ボートでの脱出を阻止。おそらく、普段は年輩者や目上の人に対して口答えしたりするタイプではないのだろうけれど、仲間の命が危機に晒されるとなれば別問題。説得力のある言葉と行動でパニックに陥った船員たちを納得させる落ち着きのある大人の対応が格好いい!
シーバートを演じるのは、ケイシー・アフレック。兄のベン・アフレックと比べると日本ではそれほどメジャー俳優ではないけれど、ブラッド・ピット主演の『ジェシー・ジェームズの暗殺』では二番手にクレジット、ロバート・フォードを演じ全米映画批評家協会賞助演男優賞を受賞している演技派なうえ、『容疑者、ホアキン・フェニックス』では監督・脚本・撮影もこなす秀才。しかも、よくよく見ると実はベンよりも色気があって格好良かったりして! 今回のシーバート役はロマンスこそないものの男らしさ全開のキャラクター。船の沈没を防ぐための体力勝負的なシーンでは、ワイルドかつ水も滴るいい男! 分厚い胸板と太い二の腕、その逞しさにキュンとなること必至!
仕事に対してはプロフェッショナルだけど、女性には奥手な主人公・バーニー。しかし、彼のような男性こそ“夫にすべき男”No.1! シネマカフェでは、結婚相談所エフティヒアの岡部代表をゲストに迎え、身近にいたら捕まえておきたい“奥手男子”の攻略法を伺いました!
バーニーは沿岸警備隊員。職場は男性ばかりで女性とあまり話すチャンスがなく、いざ女性を前にすると自分に自信が持てず、どうアプローチしていいのか分からないタイプです。現代で言う“草食男子”や“理系男子”と言えます。女性に免疫のないこの手の奥手男子は基本、真面目です。そして仕事ができます。恋愛においては女性からアプローチしたり引っぱったりする必要はありますが、結婚相手としてバーニーはおすすめです。一方、船の機関士のシーバートも同じく仕事ができて女性には奥手に見えますが、恋愛においては似て非なる2人。バーニーは、ミリアムとのやりとりを見て分かるように、他の人の意見も尊重します。ですが、シーバートの場合は──映画のなかで彼の恋愛観は描かれないのであくまで想像ですが、1950年代の30~40代の多くは結婚して子供もいて自分の家族を持っている年齢です。シーバートのルックス(本人の写真もエンドロールに登場する)からしても相当モテていたはずなのにいまだに独身。ということは…仕事や自分の世界にのめり込んで女性に目を向けてこなかったタイプ。女性がいなくても自立しているこの手のタイプは押しすぎると逆効果。結婚にこぎつけるのは難しいかもしれません。
バーニーのような奥手男子のいいところ、1つは“浮気をしない”ことです。女性に免疫がないので自ら危険なことは絶対にしない、たとえ別の女性に魅力を感じたとしても、恋愛において自分に自信がないので冒険しません。ましてや彼女や奥さんにバレて攻められたら…と考えると、浮気はまずできない性格です。結婚相手の浮気で悩みたくないなら、“バーニー男子”を狙うといいと思います。しかも、浮気をしないだけでなく、真面目な性格なので家庭を持ったら家族を大事にする、守ろうとする、仕事もちゃんとする。多少の言葉足らずな部分を受け入れさえすれば、理想の夫です。そんなバーニー的、魅力的な奥手男子の見分け方は──「言葉よりも行動を信じる」これに尽きます。ふだんは口べたで気持ちを表に出せなくても、いざというときは迷うことなく行動に移す人はバーニー男子です。また、友人や職場など周囲の人の評判がいいかどうかも大切な見分けポイントです。ミリアムもバーニーについて周囲から色々と話を聞きますが、バーニーを悪く言う人はひとりもいませんでした。1年前にバーニーが救えなかった漁師の妻ですらも彼を悪く言わない。そこからもバーニーの人の良さ、誠実さが伝わってきます。
実際女性限定試写会で行われたアンケートでは、バーニーの「芯のあるところ」「どんな状況でも諦めない精神」に惹かれたという声が多く集まりました。そして4割近い女性が“奥手男子”を好きになったことがあるそう。岡部さんの分析によると、あなたが今まで見落としている恋愛・結婚対象外の“バーニー男子”は、絶対浮気をせずに家族を大切にする“掘り出し物”だそう。あなたのまわりに「言葉よりも行動を信じる」ことができる男性がいたら、チャンスを逃さないで!(編集部)
ミリアムの凄いところはバーニーへの想いに1ミリの不安もないことです。きっと彼も自分を好きになってくれるという信念を持っている。信念があるからこそ自分からプロポーズしたのです。「もしかして断られるかも…」なんて不安が少しでもあれば逆プロポーズはできないですし、大抵の女性なら諦めてしまいます。でも彼女は決して諦めません。その背景には、この男性を絶対に逃したくない! どうしても射止めたい! 私にはこの人しかいない! という揺るぎない信念がある。そんな一途さがバーニーにも伝わったのだと思います。ただ、現実的に考えてすべての奥手男子に逆プロポーズが有効かというとそうではないのが難しいところ。ではどうすればいいのか──私はあなたのことが大好き、という気持ちをさりげなく伝えること。プロポーズを断らないですよ、ということを匂わしておくこと。そうやって奥手男子が不安なく告白できる環境を固めてあげるといいかもしれません。
「結婚したいと思った方が言えばいいと思うから」
「カッコいいと思うし、プロポーズを待っていて結婚を逃したらもったいないし、女性からプロポーズもありだと思う」
「自分の気持ちに素直でいい」
「好きなら男女関係なく先に意思を伝えてもいいと思う。」
独占試写会では、「逆プロポーズもあり!」とミリアムの勇気ある行動に賛同の声が多く集まりました。少し無茶に見えるミリアムの行動も、バーニーへの一途な思いゆえ。岡部さんが言うように、ミリアムぐらいの押しと粘り強さが“奥手男子”攻略のカギとなるのかもしれません。(編集部)
東京女子大学卒業後、信託銀行や広告代理店などで働きながらも、6年間に及ぶ婚活に励む。42歳でゴールインした後、結婚相談所を開業。リアルな婚活経験を生かした婚活アドバイスにも定評がある。
ブログ:http://ameblo.jp/eftixa/
(text:Rie Shintani)
1952年2月18日未明、マサチューセッツ州ケープコッド沖を最大規模のブリザードが襲い、強風と高波を受けた巨大タンカー、ペンドルトン号は真っ二つに割れてしまった。船長のいる船首は海の底に沈んでしまい、残された機関士レイモンド・シーバート(ケイシー・アフレック)は、急遽指揮を執ることとなる。 一方、アメリカ沿岸警備隊(コーストガード)の基地ステーションでは、一等水兵のバーニー・ウェバー(クリス・パイン)が海の監視を続けていた。すると、新任の司令官クラフ(エリック・バナ)から、ペンドルトン号の救出指令を受ける。バーニーは自殺行為だと知りながらも、同行者とともに木製の小型救命艇36500で荒れ狂う海へと救出に向かうのだった。 救助に向かう男たち、タンカーの沈没を食い止め救助を待つ男たち。基地や港で生存を信じて待ち続ける家族や恋人たち。様々な思いが交じり合いながら、運命の時間は刻々と迫っていく…。
STAFF:
監督:クレイグ・ギレスピー
脚本:スコット・シルヴァー、エリック・ジョンソン、ポール・タマシー
原作:ケイシー・シャーマン、マイケル・J.トーギア
CAST:
クリス・パイン、エリック・バナ、ケイシー・アフレック、ベン・フォスター、ホリデー・グレンジャー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
オフィシャルサイト:http://www.disney.co.jp/movie/bzd.html
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