9.16吉田麻也さんのインタビュー追加!
世界の平和を守るために、超人的なスペックをもった主人公が敵に立ち向かう!そんなアクションヒーロー大作が次々と公開されるなか、最近よく耳にするのが“マーベル映画”という言葉…。確かに周りの男子が盛り上がっているけど、「そもそもマーベルって何?」と首をかしげる女子も多いのでは? でも、食わず嫌いなんてもったいない!マーベル映画には女性にこそ「観てほしい」「観るべき」魅力がたっぷり詰まっているのです。
ロバート・ダウニーJr.に対面するという、スペシャルな体験をしたマーベル男子。実はかなりの映画好きな吉田麻也。マーベル・スタジオ製作の映画も『アイアンマン』を始め、『キャプテン・アメリカ』、『アベンジャーズ』、『マイティ・ソー』とほとんどのシリーズを制覇してきた。
撮影:You Ishii
サッカー日本代表のDFであり、英プレミアリーグ・サウサンプトンFCに所属。「映画館にはなかなか行けないので、自宅でDVDを見たりオンデマンドサーヴィスを利用したりしていますね。英語はまだまだ勉強中ですが、英語字幕があればなんとか理解できる。あとは移動するとき飛行機の中で観ることが多く、日本~イギリス間なら往復で最低4本は観ています」
マーベル・スタジオ製作の映画も『アイアンマン』を始め、『キャプテン・アメリカ』、『アベンジャーズ』、『マイティ・ソー』とほとんどのシリーズを制覇してきた。
「初めて観たのは『アイアンマン』です。僕は機械をいじるのが好きで、アイアンマンはメカを駆使するじゃないですか。そこから引きこまれました。もし、主人公のトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)みたいに、高層ビルで好きなものを作り、かっこいい車に乗れたら最高です。トニーはあまりヒーロー然としていないところがいい。正義感を前面に出さず、憎まれ口も叩くけれど、最終的には正義を貫く。そういうツンデレ的なところが、たまりません」
プレミアリーグに移籍した翌年には、『アイアンマン3』のロンドン・プレミアに参加し、主演のロバート・ダウニーJr.に対面するという、スペシャルな体験もした。
「僕にとっては初めてのレッドカーペットで、すごい緊張感がありましたね。ロバート・ダウニーJr.さんは、やっぱりハリウッドスター。常に注目されている人だから、立ち振舞いが研ぎ澄まされて、かっこよかった。そして、ダンディで気さく。『日本のファン向けに』とお願いしたら、写真撮影を快く引き受けてくれました」
そのプレミアでは、サッカー選手ならではの着目点で、シェーン・ブラック監督の意外な素顔を引き出したというエピソードも。
「監督に『映画の中でテレビにプレミアリーグの試合が映っていましたが、サッカーは好きなんですか?』と聞いたんです。すると『大好きなんだよ。知り合いと共同出資して、自分のサッカークラブを持っているぐらいなんだ』という答えだったので、驚きました。『それなら、いつでもサウサンプトンFCに来てください』とお誘いしておきました」
ピッチでは、センターバックを務めるDF。マーベルのヒーローでは誰に共感しているのだろうか。
「アイアンマンはFW的ですよね。やっぱりディフェンダーとしては、キャプテン・アメリカに共感します。あの盾を持って相手の攻撃を防ぐところとか、『アベンジャーズ』での立ち位置がすごく守備的。実は70年前の人で、現代とのギャップに苦しんでいるところも好きです。ちょっと日本代表で一緒の長谷部 誠さんと通じる(笑)。長谷部さんは読書家で博識なんですが、メカが苦手というか新しいテクノロジーを知らない。機会があったら、長谷部さんにキャプテン・アメリカの格好してほしいぐらいですよ、あのマスクを被って。僕がやるなら? さんざん守備的とか語っておいてなんですが、アイアンマンをやりたいです!(笑)」
日本代表DF陣の仲の良さをうかがわせるコメント。最新作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では、そのアイアンマンとキャプテン・アメリカが戦うことになるが……。
「サッカーでもよく起きますよ、DFとFWの争いは。DFは『しっかり守備からやろう』って言いますし、FWは『いや、前から行く』って主張する。この両者がぶつかり合うのは、必然なのかも。だから、『シビル・ウォー』でも、どちらかが完全に勝ってしまったらダメだと思うんです」
最後に、マーベル作品の最大の魅力について語ってもらった。
「誰だって少年の頃はヒーローに憧れていたけれど、大人になれば現実に生きるしかない。マーベルの映画は、そんな大人を童心に帰してくれるんじゃないかな。僕も映画を観た後は興奮状態で、アイアンマンのように手からビームが出るんじゃないかと思ってしまう。『今からでもヒーローになれる!?』なんて思うんですが、僕はやっぱり違うアプローチで頑張りたいですね。サッカーでヒーローになりたい。それは少年時代からずっと変わらない思いなんです」
(取材協力:FLIX/文:小田慶子)
1988年8月24日生まれ。長崎県出身。07年に名古屋グランパスとプロ契約を結びJリーガーとなる。08年には夏の北京五輪代表入り。翌年の12月にはオランダ1部のVVVフェンロに完全移籍。10年1月には、アジア杯最終予選イエメン戦で日本代表に初招集され、国際Aマッチデビューを飾る。11年1月には日本代表としてアジア杯カタール大会で優勝。12年夏のロンドン五輪で、オーバーエージ枠で代表入り。キャプテンとしてチームを引っ張り、日本をベスト4に導いた。ロンドン五輪での活躍もあり、同年8月に英国プレミアリーグのサウサンプトンFCに完全移籍する。14年にはサッカー日本代表としてW杯ブラジル大会に出場する。
リオ五輪で銀メダルを獲得し、日本中を感動に包んだ吉田沙保里選手(女子レスリング53 kg級)。男たちが熱い戦いを繰り広げるマーベル映画にすっかりハマった“マーベル女子”吉田選手が、世界を舞台に戦うアスリートの目線から、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の魅力を熱弁。キャプテン・アメリカとアイアンマン、どちらが好き? そんな質問に、“霊長類最強女子”の乙女な一面も見せてくれました。
――『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の魅力を教えてください。
スーパーヒーローが集結し、正義のためにぶつかり合う姿に胸が熱くなりますね。アクションはもちろん、笑いあり涙ありといろいろな要素は詰まっているので、私も含めた“マーベル初心者”の女性もすごく楽しめる作品だと思います。
――正義のために戦うヒーローたちが支え合う姿は、世界の第一線で戦い続ける吉田選手にはどのように映りますか?
勝ち負けは別にして、戦い終わった後はキャプテン・アメリカとアイアンマンの間に友情が残る。そんな関係性が素敵だと思いますね。私自身はこれまで勝ち続けることに対して、すごくプレッシャーがありました。追われる立場ですし「負けたらどうしよう」とビクビクした気持ちもあったんです。今回はリオで銀メダルという結果でしたが、初めて“負ける側の気持ち”を知るという意味で、とても貴重な経験になりました。
――映画の中では信念の違いから、キャプテン・アメリカとアイアンマンが対立しますが、同じ目標を目指すチーム内に亀裂が走ったとき、吉田さんはどのように対処しますか?
やっぱり、それぞれの立場の意見を聞いて、話し合う以外に解決法はないと思いますね。私の場合だったら、少し様子がおかしいなと思えば「どうしたの?」と声をかけて、悩みに耳を傾けるようにしています。気まずい雰囲気のままだと、チーム全体に良くない影響が出てしまいますから。
――ずばり、キャプテン・アメリカとアイアンマン、どちらがタイプですか?
もちろん、キャプテン・アメリカです! 強いしカッコいいし、何よりリーダーシップがありますからね。こう見えて(笑)、恋愛では引っぱってもらいたいし、相手には甘えたいので。もしデートするなら? そうですね…、もちろん映画を一緒に見たいし、マーベルはグッズも可愛いので、一緒に買いに行きたいですね。アイアンマンは女性にモテるから、私だったら「私だけを見て!」と妬いてしまうはず(笑)。