『赤い風船』の少年 パスカル・ラモリス インタビュー

映画の中でパスカル少年を演じた、ラモリス監督の実子であるパスカル・ラモリスにフランスで直撃インタビュー。

『赤い風船』はなぜ赤色に?

―まん丸で艶やかで絶妙な大きさの赤い風船がとても印象的です。この個性的な風船はどのように生まれたのでしょうか。

「父と彼のスタッフが頭をひねって作り出しました。あの風船はじつは二重になっているのです。赤い風船の内側に黄色い風船が入っていて、同時に膨らませる。ただその前に、それにニスを塗って艶を出したのです」。

―なぜ赤い色を選んだのですか。

「この映画が作られた56年当時は戦後まだ十年ほどで、街全体にはいまのように色彩がなく、ほとんど灰色一色でした。ですから映像的に映える鮮やかな色彩を用いたのです。父は絵も描けば写真も撮っていましたから、とても映像派でした」。

ラストシーンの撮影は…?

―たしかに街の色は淡く、風船だけがヴィヴィッドな色に見えますが、特別そう見えるように仕掛けがされているわけではないのですね。

「実際に街の景色がそうだったのです。この作品はそういう意味で当時のパリの様子がよく表れています。映画の撮影に使われたメニルモンタン界隈が、現在は再開発のため古い町並みが取り壊されてしまったことが、残念でなりません」。

―風船がまるで生きているかのように動いたり、特にラストシーンなど、いったいどうやって撮ったのだろうと驚かされるシーンがたくさんあります。あの風船はもちろん、機械仕掛けではないですよね?

「違います。あの時代はまだ、コンピューターのプログラミングもブルーバックの合成も存在しませんでしたから。ここで撮影の秘密を明かしてしまうと映画をご覧になる観客の夢を壊してしまうので言えませんが、実際はとてもシンプルな創意工夫によるものです。光や風の具合を計算したり、職人的な技術で、いろいろな段階で工夫を凝らしています。ラストシーンも企業秘密です(笑)。ここでは少しだけ宙に浮いたとだけ言っておきましょう。
父にとって大切だったのは、風船が心を持っているのを表すことでした。ですからコンピューターで動かされているような印象ではだめなのです。風船が生きものだからこそ、少年と心が通い合う。風船は少年の相棒であり、自由の象徴でもあるのです」。

(text:Kuriko Sato)

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映画作品情報

赤い風船

『赤い風船』場面写真

監督 アルベール・ラモリス
俳優 パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、ジョルジュ・セリエ
白い馬

『白い馬』場面写真

監督 アルベール・ラモリス
俳優 アラン・エムリー、ローラン・ロッシュ、フランソワ・プリエ、パスカル・ラモリス、ジャン=ピエール・グルニエ

配給:カフェグルーヴ、クレストインターナショナル
2008年7月26日よりシネスイッチ銀座にて公開
© Copyright Films Montsouris 1956

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