フランク・ゲーリーっていったい誰?
知らないとまずい?


そんなあなたに贈る短編コラム集。建築家にしてデザイナーという多彩な魅力を持つゲーリーの魅力に、キーワードで迫る入門編。これだけは知っておきたい話題満載!

今や、世界の巨匠として知られるフランク・(オーエン・)ゲーリー。1929年2月28日、カナダのトロントに生まれ、47年に家族と共にロサンゼルス移住。54年には南カリフォルニア大学で建築学士号を取得するが、実は在学中、当時の妻(前妻)から、どうしても名前を変えてくれと言われ改名!

以前のファミリー・ネームは“ゴールドバーグ”というユダヤ名。実は、改名する少し前、教授から「君は建築に向いていない」と反ユダヤ主義的な発言を投げかけられている(ゲーリー談)。だが、その屈辱をバネに建築界入り。新風を吹き込むこととなった。映画の中では、改名後5年ほどは新しい名前に馴染めなかったというエピソードも。

現代建築の第一人者として、多くの敬意を集めるフランク。既成概念を吹き飛ばす独創的なデザイン、伝統に縛られないその精神から、彼は建築家にして芸術家とも称されるほど! 直線と曲線の融合、異素材の組み合わせなどに特徴があり、それはさながら彫刻のよう。

また、個性的でありながら周囲の景色と対話をするかのように溶け込む佇まいにも定評がある。施主からの要求と現実との間で、個性を表現することが最も難しいとされる建築だが、機能とデザインが同居することからも、彼の作品には高い評価が集まっている。

アメリカはカリフォルニア州在住のゲーリー。有名になるきっかけとなったのは、1978年に行ったサンタモニカにある自宅「ゲーリー自邸」のリノベーションだった。以後、脱構築主義建築の旗手とされ、“建築界のノーベル賞”ともいわれるプリツカー賞などを受賞。今や世界を舞台に活躍している。

拠点であるアメリカ各州で数多くの作品を観ることができるが、もちろん、世界的な巨匠だけあり、彼らの建築は世界各地に点在している。実は、彼の作品が日本にも! それが、1987年に神戸開港120周年を記念して建設された高さ21メートルにもおよぶ魚(鯉)の巨大オブジェ。神戸港のメリケンパークで見ることができるので訪れてみては?

[代表作]
ロヨラ大学・ロースクール(米・カリフォルニア州・ロサンゼルス/1978-2002)
ロサンゼルス現代美術館別館「ゲフィン・コンテンポラリー・アット・MOCA)」
(米・カリフォルニア州・ロサンゼルス)1984
ヴィトラ本社ビル(独・ビルスフェルデン)1994
ナショナル・ネーデルランデン・ビル(通称「Dancing Building 」/チェコ・プラハ/1995)
ビルバオ・グッゲンハイム美術館(西・ビルバオ/1997)
メディア・ハーバー・ビル(独・デュッセルドルフ/1999)
DG銀行ビル(独・ベルリン/1999 )
トライベッカ・イッセイ・ミヤケ旗艦店(米・ニューヨーク/2001)
マギー・センター(英・スコットランド・ダンディー/2003)
ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール(米・カリフォルニア州・ロサンゼルス/2003)
マサチューセッツ工科大学・ステイタ・センター(米・マサチューセッツ州・ケンブリッジ/2004)
プリツカー・パビリオン(米・イリノイ州・シカゴ/2004)
マルタ (独・ハーフォード/2005)
ホテル・マルケス・デ・リスカル(西・エルシエゴ/2006)
hhstyle.com

建築家として有名な彼だが、実はデザイナーとしても活躍している。はじめは、価格をめぐって投資家と対立するという不運に見舞われたが、現在は建築家としての名声と共に、家具の分野での活動も順調。意外な素材を用いるゲーリーらしさを発揮している。

1972年に発表した段ボール家具「イージー・エッジ」シリーズや合板を素材とした「クロス・チェック」シリーズなどが有名。また、映画を見てすっかりファンになり、ゲーリーの作品をぜひ手元に、と考えている人におすすめなのが、彼のデザインしているジュエリー。フランク・ゲーリー・コレクションとしてティファニーから発表されている。これなら、価格も手の届く範囲。

同業者や建築マニアの中に、彼のファンが多いのは当然だが、実はセレブリティにも支持者が多い。建築好きで有名なブラッド・ピットをはじめ、自宅の設計を依頼しているデニス・ホッパー、アーティストのジュリアン・シュナーベル、ミュージシャンのボブ・ゲルドフ、元ウォルト・ディズニー社CEOのマイケル・アイズナーなど、各界の早々たる面々が彼の作品を愛してやまない。彼らは映画に“証言者”として登場しているので要チェック!

(text:June Makiguchi
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