吉祥天女
吉祥天女 小夜子 鈴木杏鈴木杏
鈴木杏
ミステリアスなヒロイン・小夜子に、最初は葛藤の日々・・・
吉祥天女 鈴木杏

――原作者・吉田秋生先生の大ファンだという鈴木さん。それだけに今回の出演依頼は嬉しいものだったのでは?

「もちろん最初はただただ嬉しかったです。でも小夜子っていう女の子が、私が今まで出会ったことのないキャラクターだったんですね。原作を読んで、台本を読んで、やっぱり私と小夜子に共通するイメージが湧かなくて。“これは…どうしよう!”と、かなり悩みました。

小夜子が持っている妖艶さとかミステリアスさが、自分の中に1ミリもなかったんですよ(笑)。今までやってきた役はどことなく自分と似てたんですけど、今回は少女でありながら女性を強く感じさせるキャラ。女性っていうものが、私の中で確立されていなかったので、演じるにあたってすごくとらえどころがなかったんです。結局自分1人であれこれ考えててもダメだ! と思って、あえて何も考えずに頭を真っ白にして現場に入りました。現場で監督やキャストの人と話してみて、だんだん小夜子が分かっていければいいなって」。

吉祥天女 鈴木杏

――とはいえ、スクリーンにはゾクッとするほど妖艶な小夜子が確かに息づいている。彼女の新境地ともいえるこの小夜子役。実は、カメラが回っていない時の杏さんにまで影響を及ぼしていた…。

「これまでの私は、ずっと役について考えるっていうストイックさがあんまりなかったんです。逆に切り替えていった方が調子が良かった気がしてたんですけど、今回は小夜子の孤独感をひきずっちゃうこともありましたね。 小夜子って、演じていてもよりかかれる相手がいないんですよ。

その孤独感、切羽詰った感じを、撮影中ずっと感じていました。その反動か、合間の時間はやたらとはしゃいでみたり(笑)。私自身、すごく揺れてる時期だったと思います。でも、アクションシーンはすごく楽しかった! あれは心から楽しんでやれました。アクションの先生が“みんな鍛えてるから(パンチやキックを)当てちゃっても大丈夫だよ”って言ってくださったので、本当に何発かは入ってます(笑)。これまでは殴られたりする役ばっかりだったので、すごく爽快でした。これからも、アクションはどんどんやりたいです!」。

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――同世代のフレッシュなキャスト陣との共演も、多いに刺激になった様子。女優としてのキャリアは10年を越す彼女だが、その成長と向上心はまだまだ留まることを知らない。

「(本仮屋)ユイカちゃんとのお芝居のやりとりは、とにかく刺激的でした。私が全く予想できないリアクションを、いつも彼女はしてくるんですよ。それが毎回本当に面白かったです。私は頭でいろいろ考えると空回りしちゃうタイプなんですけど、ユイカちゃんは自分の感覚や思っていることをスムーズに言葉にできる人。すごく面白い人だな〜って感心して見てました。勝地(涼)くんとは何度も共演してるので、とっても安心感があります。小学校の時から知っているので、もう“同志”みたいな感じ。それが今回の小夜子と涼の関係にも似てるなと思って。彼が涼役だったから、今回の小夜子と涼の空気感を出せたんじゃないかと思っています。

私自身、小夜子を演じてみて、確かに新しいジャンルの扉は開けたけど、ここから先に進んでいくのはこれからだと感じています。小夜子を機に、これからまだまだがんばっていかなきゃなって思えた。この作品に出会えて本当に良かったです!」。

(text:Kaoru Endo/photo:HIRAROCK)

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作品情報『吉祥天女』
吉祥天女
監督
及川中
俳優
鈴木杏本仮屋ユイカ勝地涼市川実日子深水元基

6月30日より渋谷Q-AXシネマほか全国にて公開
2006,日本,CKエンタテインメント[Cubical]
©2006 吉田秋生・小学館/『吉祥天女』製作委員会

公式サイト