
9歳にして初短編作品を携えて海外の映画祭に参加。2003年には長編ドキュメンタリー『ハナのアフガンノート』でヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に参加し、世界三大映画祭のコンペに史上最年少での出品を果たしたハナ。その早熟ぶりには驚かされるが、それも納得。彼女は8歳で学校教育を離れ、父でイランを代表する映画監督であるモフセン・マフマルバフから英才教育を受けてきたのだ。
「いまにして思うと、通常の学校に行かずに父から直接教わったということは、すごくよかったと思います。学校での宗教の講義で教わる“神様”と違って、父が教えてくれた神様は“絵を生み出す神様”、“詩を紡ぐ神様”であり、人間らしさを教えてくれる神様でした。
父がよく言うんです。『世界は魚を釣ることを教えずに、魚を与えようとしている』って。書くことを教えるにしても、見本となる本や知識を与えるだけで、どう書いたらいいのかを教えようとしない。すると、ただコピーを生み出すばかりで自ら何かを生み出すことが出来なくなってしまいます。父の下で“作り出す”ことを学ぶことが出来たことに満足していますし、父の言葉はずっと大切にしていきたいです」。
映画が見せる深遠な世界と、その落ち着いた受け答えから、とても目の前の女性が20歳とは思えない。話題を彼女の日常に向けると、こちらのそうした戸惑いを見透かしたようにこう語った。
「私を特別な人間だなんて思わないでくださいね。家族もいて、食べることやいろんなことに興味を持っている普通の女の子ですから(笑)。少し違うと言えば、多くの人が20歳くらいになって、自分が何をしたいのか探し出すとしたら、私にはそれが8歳の頃から見つかっていたということです」。劇中、学校で学びたいと願う主人公の少女にとって、ノートが非常に重要なアイテムとなっている。ハナは「ノートはアフガニスタンの文化そのものなんです」と言葉に力を込める。
「ノートの存在は、映画にとって最も重要なテーマと言えます。1冊のノートがあって、主人公の少女を助けるためであれ、いじめるためであれ、手に取った誰もがノートを破いてしまいます。いろんな人の手に渡るうちに、ノートは破壊されていく…ちょうど、タリバンやアメリカの手に渡りながらアフガニスタンが壊されていったようにね」。
ちなみにハナ自身、詩を書くときはノートを愛用しているとのこと。
「ノートに詩を綴りながら、頭の中で編集してしていきます。ノートに書かれた文章に番号を振るのですが、それを破って順番を入れ替えたりするんです。だから、完成するまでに紙が次々と形を変えていくんですよ」。
「いま最も興味があることは?」と尋ねると「自分をいっぱいにすること! ひとつの映画を撮り終わると、いっぱい喋って、自分が空っぽになってしまうんです。だから、自分を満たすためにこの世の中の全てのものを自分の中に入れたいです」と笑顔で答えてくれた。再び自らをいっぱいに満たしたとき、彼女はまた、私たちが見たこともない世界を届けてくれるに違いない。

1988年、イラン・テヘラン生まれ。7歳のとき、父モフセン・マフマルバフの監督作品『パンと植木鉢』に出演。8歳で型にはまった学校教育に別れを告げ、父が設立したマフマルバフ・フィルム・スクールハウスで姉・サミラ、兄・メイサムらと一緒に学び始める。8歳で撮影した初めてのビデオ短編『おばさんが病気になった日』でロカルノ映画祭に参加。2003年、姉・サミラの『午後の五時』のメイキングでありながら、アフガニスタンの状況を鮮やかに描き出した長編ドキュメンタリー『ハナのアフガンノート』を、ベネチア国際映画祭に出品。世界3大映画祭コンペ出品の世界最年少記録となり話題を呼ぶ。その後も家族の映画の現場に参加しながら、2007年、19歳で『子供の情景』を完成。ベルリン映画祭で2つの賞を獲得した。
イランを代表する名監督である父モフセンを筆頭に、マフマルバフ一家は、今やメイサム以外はすべて映画監督。兄・メイサムは写真家で、『子供の情景』のプロデュースを務めている。
父 モフセン 『パンと植木鉢』、『カンダハール』
姉 サミラ 『午後の五時』、『ブラックボード - 背負う人 -』
兄 メイサム 『子供の情景』プロデュース
母 マルズィエ・メシュキニ 『私が女になった日』
『カンダハール』
3,990円(税込)
ブロードウェイ
『ブラックボード - 背負う人 -』
2,940円(税込)
ハピネット・ピクチャーズ

日時:4月5日(日)
第一部 12:00開場/12:30開映
第二部 14:30開場/15:00開映
場所:COPON NORP(東京・神宮前)
※各回20組40名様をご招待させていただきます。
※応募される方はぜひ本キャンペーンに参加(バナークリック)宜しくお願いします。
※第二部はブロガー限定とさせていただきます。ご応募の際に、ブログURLをご記入ください。
〆切り:3月27日(金)
募集は〆切りました。たくさんのご応募
ありがとうございました。