あの夏に京極堂の店内へ足を踏み入れた瞬間、胸に訪れた気持ちを言葉にするのは難しいです。床の本まで本物なのですよ!小説の世界が形を得た姿を、皆さんもその目で確認してください。
サウナのような暑さのセット(みっしり建て込んでいるので風が回らない)で堤さんが首筋に氷袋を当てながら撮影に挑まれ、いしださんがじっと庭の陰で集中していたお姿が、今でも鮮明に思い出されます。
現場の段取りの良さは驚異的といってもよく、撮る箇所から細部が完成していく美術、照明・カメラさんのセッティングスピードといったら、監督の画がわかっているんだなあと、ただ感心するしかありませんでした。
駆け出しで訳もわからず佇むしかなかった私が(立会いだけとはいえ)思い悩みつつ現場へ通った日々から、もう一年がたってしまったんですね。バトンを受けてみんなで(わたしはちょっとですけど)試行錯誤・一喜一憂・七転八倒しながら、やっとここまで転がってきました。たいへんな原作ですからファンの皆様は様々なイメージやご意見をお持ちだと思います。そして、本作品も多くの人々が関わって世に送り出される“ある”「姑獲鳥の夏」です。もし、少しでもこの映画にご興味を持っていただけるのなら是非、劇場に足をお運びください。
ご意見ご感想どんな内容であれ、一同耳を傾けさせていただくつもりです。それはこれからに生きる、とても貴重な種なのですから・・・。
この映画、私自身もラッシュや初号と三度観て、やっと気づいた箇所があったりします。
そうなんです。
あなた自身の京極堂の世界を、ご自身のイメージに近づけていくことが出来るのは実は(いろんな意味で)映画をご覧になるあなたご自身に他ならないような気がします。
脳内の画像に物差しをあてることが出来る絶好の機会を逃す手はないと思いますよ。