母と別れ、故郷から遠く離れて、真実の名前を隠して生きる新しい地――普遍的な“母と子の絆”が心揺さぶる一大叙事詩『約束の旅路』を大特集!

災害支援、難病治療への研究支援、難民援助、人権保護、環境保全など、ここ数年、さまざまなジャンルのチャリティ活動を牽引しているセレブたち。言動への注目度が高く、社会的影響力も極めて高い存在であるだけに、担っている社会的役割が大きいことを彼らは自覚している。今や慈善活動はセレブの常識に。ニコール・キッドマン、グウィネス・パルトロウ、シャロン・ストーンら、女優たちも積極的。中には、華やかな“いかにもセレブらしい”チャリティ活動を展開する“女神”たちも多い中、熱心で情熱的な活動家として筆頭にあげられるのが、アンジェリーナ・ジョリー。

アンジェリーナは、1975年、オスカー俳優ジョン・ヴォイトと女優マーチェリン・バートランドの長女として誕生。1999年に出演した『17歳のカルテ』では、精神療養施設に暮らす情緒不安定な少女を演じ、アカデミー賞助演女優賞を受賞するなど、女優としてのキャリアを着実に積み上げていく一方で、奇妙な言動にも注目が集まる、典型的なお騒がせセレブの1人だった。

そんな彼女を、活動家として目覚めさせたのが『トゥームレイダー』。撮影でカンボジアに行ったとき、美しい自然に恵まれながらも、貧困に苦しむ国の実情を目の当たりに。だが、過酷な状況の中でも輝くような笑顔を見せる子供たちに出会い、ハリウッドでの華やかな生活がいかに無意味か悟ったのだという。その直後には、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を訪れ、ボランティア活動を行いたいという強い意思を表明。シエラレオネ、タンザニア、パキスタン、カンボジア、そしてエクアドルなどを精力的に視察。ちょうどこの頃、同作のPRのために訪れた日本でインタビューを行った際、取材時間15分というわずかな時間ながらも、彼女は熱心にこう繰り返した。 「避難民たちが1人でも多くの家族を見つけてくれたら嬉しい。こういう仕事に関わることができたことを本当に幸運に思っているわ」。

視察をするアンジェリーナ・ジョリー

熱心な視察を行った直後の2001年秋、UNHCRはアンジェリーナを親善大使に任命。視察旅行の様子は、アンジェリーナ自身が実感したこと、その目で見つめた世界の現状と共に、第9回国連記者協会賞を受賞した著書「アンジェリーナ・ジョリー 思いは国境を越えて」(産業編集センター刊)に記されている。

また、彼女はカンボジアから男児マドックスを、エチオピアから女児ザハラを養子として迎えたことでも有名。女児を設けたパートナーのブラッド・ピットもまた、アンジェリーナに感化されるように、最近ではチャリティに今まで以上に情熱を傾けており、2人で国際支援活動を行う姿も目撃されている。

ハリウッドでもトップクラスの出演料を稼ぐアンジェリーナだが、収入の約3分の1を慈善活動に費しているとも言われ、ブラッドも積極的に高額寄付を惜しみなく行う。映画スターとして観客たちを楽しませている以上に、アンジェリーナを誰であるか知らない貧しい人々に光をもたらしている彼女。人々を救うことはもはやライフワーク。その情熱はもはやとどまるところを知らない。

(photo:AFLO)

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作品情報『約束の旅路』
約束の旅路
監督
ラデュ・ミヘイレアニュ
俳優
ヤエル・アベカシスロシュディ・ゼムシラク・M・サバハ

2007年3月10日より岩波ホールにて公開
2005,フランス,カフェグルーヴ、ムヴィオラ