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大森南朋インタビュー

映画の現場は“真ん中”

改めて大森南朋の出演作をふり返ってみると、映画、テレビ、CM…その数と幅広さには驚かされる。しかも、多くを手がけるのは日本を代表する有名監督。最新主演作、『笑う警官』のメガホンを取る巨匠・角川春樹監督も彼を支持する一人だ。大森さん自身、“俳優・大森南朋”をどのように見ているのだろうか。

―これほど様々な作品がある中で、大森さんが出演を決めるポイントは何でしょうか?

基本的に「タイミング」が大きいんです。スケジュールのタイミングが先ずありますし、イメージが固定されされてしまうのもなるべく避けたいので、(同じタイプの作品が)続くと外したくなる、というのもあります。『ハゲタカ』、『笑う警官』と社会派が続いたので、ちょうど違うテイストの作品がやりたいな、と思っていたところに(恋愛映画の)『スイートリトルライズ』のお話をいただいて…というように。あとは、昔からお世話になっている監督やプロデューサー、共演者…そういう方からお話をいただけるなら、時間さえ合えば出来るだけ参加したい。「人」に呼んでいただいて行くことが多いです。

―『笑う警官』はどのような「タイミング」で出演を決められたのでしょう?

道警(北海道警察)の話は以前、原作とは全く別のノンフィクション小説で読んだことがあったんです。こんな事実があるということに衝撃を受けて、「誰か映画化しないのかな?」と思っていました。それから数か月後に角川春樹さんに映画出演のお話をいただきました。僕は子供のときから角川映画を観て育っていて、その角川さんからお話をいただいたので、すぐに「やらさせていただきます」とお返事しました。

―大森さんが本作で演じる「佐伯」という男はどの辺りに演じがいがありましたか?

佐伯は悲しみを背負っている男。大きな組織が持っている正義と、自分たち一個人が持っている正義とのギャップに苦しんでいる。自分が考えている正義の方が正しい、そう思ってなんとか行動しようとするんですが、結局組織の大きさには勝てない。強い感情を抱え込んでいる男なんです。

―撮影の中で印象に残っているシーンは?

11分間の長回しのシーン(メインキャストたちがバーに集まり、事件について話しあうシーン)があったんですが、そこは前半の肝の部分だと意識していて、前半戦はその日が来るのを待ち望んでいた、という気持ちもありました。あの人数で11分に及ぶ芝居をするというのはもちろん緊張もしましたが、妙な興奮も感じました。

―テレビ、舞台…俳優として広く活躍されていますが、「映画」に対して特別な思いはありますか?

やはり若いときから、映画の現場でプロ意識の高い大人たちに囲まれて、怒られながら、いろんなことを教えてもらってきたと思っています。最初の頃は映画の現場に行くのが嫌でしょうがなかったんですが、いつしか映画の現場が一番ホッとするようになっていた。映画のスタッフ、監督、共演者の方…みなさんに育てていただいた。映画の現場というのは、僕にとっては“真ん中”なんです。舞台やドラマにも出演させてもらっていますが、そこでの仕事を終えた後には「次は映画がやりたいな」そう思ったりしていますね。

地に足をつけて生きる男はカッコいい

大森さんが静かに語る言葉ひとつひとつから、「俳優」に対しての思いがしっかりと伝わってくるが、その眼差しは優しい。佇まいに色気があり、でも時には少年のようなあどけない表情も見せ…その両面に多くの人は惹きづけられるのだろう。特に、女性ファンは急増中。しかしそのことに対して本人は照れ笑いを見せながらも、至ってクール。そういう飾り気のないところこそが、大森南朋の魅力なのかもしれない。

―大森さんが描く「俳優・大森南朋」の理想形は?

役者という仕事に関しては、あまり何年も先のことをイメージしないようにしているんです。いままでもわりと好きにやらせてもらってきました。もちろんこれから変わっていくこともたくさんあるでしょうが、基本的なスタンスは変えたくない。というより「変わらないんだろうな」と思います。

―近年、特に女性ファンがとても増えていますね。

最近、取材や行く先々でそんな風に言われるんですが、あまり実感ないんです…。

―では大森さんが思う、“カッコいい男性”像は?

そうですね…「ちゃんと地に足をつけて生きている人」。男女問わず、そういう人はカッコいいと思います。

(photo:HIRAROCK)

NAO OMORI FILMOGRAPHY

  • 『ヴァイブレーター』
  • 2003
    恋愛ロードムービー。大森南朋演じるの包容力のあるトラックドライバー役に多くの女性が胸きゅん。
  • 『ヴァイブレーター』
  • ハピネット
  • 『チルドレン』
  • 2006
    人気作家・伊坂幸太郎原作の短編をWOWOW制作でドラマ化。共演は坂口憲二と小西真奈美。
  • 『チルドレン』
  • アスミック
  • 『キャッチボール屋』
  • 2006
    10分100円でキャッチボールの相手をする“キャッチボール屋”を演じた、大森南朋単独初主演作。
  • 『キャッチボール屋』
  • ハピネット
  • 『ハゲタカ』
  • 2007
    企業買収劇を舞台にした傑作TVドラマ。数々の賞に輝き大森南朋の名を一躍広め。2009年に映画化。
  • 『ハゲタカ』
  • ポニーキャニオン
  • 『フィッシュストーリ』
  • 2009
    伊坂幸太郎の原作を『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督が映画化。大森南朋の一人二役に注目。
  • 『フィッシュストーリ』
  • アミューズソフトエンタテインメント
  • 『スイートリトルライズ』
    2010
    『スイートリトルライズ』
  • 幸せそうに見える夫婦のすれ違いを描いた、江國香織の人気恋愛小説を映画化。共演の妻役は中谷美紀。
  • 2010年春シネマライズほかにて公開
    ©2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会
『笑う警官』

『笑う警官』

STAFF
角川春樹

CAST
大森南朋、松雪泰子、宮迫博之、忍成修吾、螢雪次朗、野村祐人、伊藤明賢、大友康平

STORY
ある日、札幌市内のアパートで女性の変死体が発見された。その女性は、ミス道警と呼ばれた美女で、かつての交際相手であった巡査部長・津久井(宮迫博之)が容疑者に挙げられた上に、異例の射殺命令が出された。それは、道警全体の汚職を告発する北海道議会が開く「百条委員会」に重要証人として津久井が召喚されていたため、道警上層部が企んだものであった…。そう睨んだ所轄の警部補・佐伯(大森南朋)は、津久井を確保し、翌日開かれる「百条委員会」に無事出席させるミッションに命を懸ける――。佐々木譲の人気警察小説「笑う警官」を原作に、角川春樹が11年ぶりにメガホンを取り、映画化。

2009年11月14日より全国にて公開   配給:東映  © 2009『笑う警官』製作委員会

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