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「お母さんにこの映画を観てもらいたい」『キトキト!』主演・石田卓也、監督/脚本・吉田康弘インタビュー

三大大仏の一つが町のシンボルとなっている富山県・高岡市。女手一つで娘と息子を育ててきた肝っ玉母ちゃん。しかし、そんな母親から逃れるようにして東京へ行ってしまう子供たち。離ればなれになっても、親子の絆は切っても切れず、むしろ強くなるのだと教えてくれるのが、吉田康弘監督作品の『キトキト!』だ。

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三大大仏の一つが町のシンボルとなっている富山県・高岡市。女手一つで娘と息子を育ててきた肝っ玉母ちゃん。しかし、そんな母親から逃れるようにして東京へ行ってしまう子供たち。離ればなれになっても、親子の絆は切っても切れず、むしろ強くなるのだと教えてくれるのが、吉田康弘監督作品の『キトキト!』だ。

「なーんつまらん、この町」と、町を出てしまう主人公・優介を演じたのは『夜のピクニック』の石田卓也さん。この愉快な脚本を読んだ、石田さんの最初の感想はと言うと…。
「すごく面白いかったんです。最初は監督の経験だと知らなくて」

そうなのだ。この作品は『ゲロッパ!』('03)『パッチギ!』('05)の井筒和幸監督、『嫌われ松子の一生』('06)の中島哲也監督の元で経験を積んだ吉田康弘監督が、自身の経験を元に脚本を書き、初監督に挑戦。そのおかげで、監督自身の経験がそこここに生きているストーリーとなった。

「主にお母ちゃんや姉ちゃん、じいちゃんなどの家族の描写ですね。お母ちゃんがヤクルトや学研のおばちゃんなど、いろんな仕事をやってた、とか、いつも手首に輪ゴムをつけていたとか、いつもテレビを付けっぱなしで寝てるのに、リモコンで電源を消したらムクッと起きて『見てたのに!』っていうところとか。自分の母親がよくやっていたんですよ。あとは息子との会話でも『お母ちゃんが死んだら、あんたは泣くの?』としょっちゅう言われていたり、母親が亡くなった時も、あんな風にあっさり逝ってしまいましたし。その辺りは僕が経験したことで、あとは姉ちゃんがヤンキーだったとか、包丁振り回して母ちゃんが追いかけたとか…。じいちゃんがパチンコ狂いだったりとか!」と、まぁいろいろなエピソードが飛び出してきた。

そんな“面白い”脚本が大竹しのぶさんをも動かした。「イメージ通りだし、大竹さんがお母ちゃん役をやってくれたらいいな」と思いながら脚本を書いたという監督。ダメもとでオファーすると、やはり「面白いから」と引き受けてくれたそうだ。「いや、もう無理だと思ってましたから。ラッキー!と思ってめちゃめちゃ嬉しかったです」と、監督は満足そうな笑顔だ。

石田さんも「一緒に共演できてすごい嬉しかったし、すごく楽しかったです。大竹さんでも悩んだりしていらっしゃるんですよ。『今ので大丈夫かな?』って。しかも僕に聞いてくるから、いやいや僕に聞かれても…、って思いました(笑)」

町のシンボルである大仏。この大仏に優介はとんでもないことをするのだが…。
「大仏に登るなんて、普通じゃ絶対にできないことですから、すごく良い経験でした(笑)」と語る石田さんに監督も、「あれは大変でしたね」と一言。

最初は拒否されたそうだが、交渉の末、許可が下りたとのこと。はしごをかけて、下でスタッフが石田さんを支えていた。
「ただ下で支えてるだけ。後ろにロープを渡してそれにしがみついていたんですが、いやー、怖かったです」と笑う。

「大仏にキスした男は」(監督)、「日本で僕だけかもしれません」(石田)だそうだ。

そんなお2人に、“お母ちゃん”について聞いてみた。
監督は「僕は生きている間に母親に何もできなかったので、この映画で少しでも感謝の気持ちを伝えられたらいいかな、と思って作りました。本当に『うっとい(うっとうしい)』ばかり言っていて、『わかった、わかった』って。『俺のことは放っておいてくれ!』って態度ばかりとっていたと思うので…」。そして石田さんは「僕もスゴイ迷惑ばっかりかけたので、親孝行できたら嬉しいです。お母さんにこの映画を観てもらいたいですね」

『キトキト!』には、子供を見守る母の愛、そして子供からの母への愛がめいっぱい詰まっている。
《シネマカフェ編集部》

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