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『ヘドウィグ』旋風再び! ジョン・キャメロン・ミッチェルが赤裸々に描くセックス

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の衝撃から5年の時を経て、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督が贈る最新作『ショートバス』。昨年のカンヌ映画祭でプレミア上映され、前作に負けず劣らずセンセーションを巻き起こした本作のテーマ、それは“セックス”。舞台はN.Y.、性的に満たされない恋愛カウンセラーにゲイのカップル、SMの女王など悩みを抱えた7人の男女の物語が綴られる。このたび来日した、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督と主演のリー・スックインによる記者会見が6月4日(月)開かれたが、問題作を次々と世に送り出す監督とあってドキッとするようなきわどい発言も。

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『ショートバス』会見に出席したジョン・キャメロン・ミッチェル監督とリー・スックイン
『ショートバス』会見に出席したジョン・キャメロン・ミッチェル監督とリー・スックイン
  • 『ショートバス』会見に出席したジョン・キャメロン・ミッチェル監督とリー・スックイン
  • 今回は初来日のリー・スックイン。監督のきわどい発言も慣れたもの
  • きわどい発言を次々と繰り出すジョン・キャメロン・ミッチェル監督
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の衝撃から5年の時を経て、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督が贈る最新作『ショートバス』。昨年のカンヌ映画祭でプレミア上映され、前作に負けず劣らずセンセーションを巻き起こした本作のテーマ、それは“セックス”。舞台はN.Y.、性的に満たされない恋愛カウンセラーにゲイのカップル、SMの女王など悩みを抱えた7人の男女の物語が綴られる。このたび来日した、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督と主演のリー・スックインによる記者会見が6月4日(月)開かれたが、問題作を次々と世に送り出す監督とあってドキッとするようなきわどい発言も。

主人公の一人、恋愛カウンセラーでありながら自身がセックスで満たされない思いを抱えるソフィアを演じたスックインは今回が初来日。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』にも出演した彼女は監督にほれ込み「次回作にも絶対出してほしい」と当時から伝えていたのだという。「だから役が決まった瞬間『やったー!』って。でもすぐに内容を思い返して『どうしよう? こんなのやっていいのかな…』って思いました」と語るように作品の強烈さに不安もあったとか。「でも誰かがこれをやるなら、この監督しかいないって思いました。監督の持つビジョンは信頼していましたし。それから『どんな作品になるのか?』という好奇心——大きなアドベンチャーになるって思ったんです」と語ってくれた。彼女の中国系カナダ人というルーツについて監督は「セックスのとらえ方などの部分は、彼女が演じたキャラクターに生かされている。でもそれを狙ったわけじゃなく、彼女はオーディションで最高だったからこの役を頼んだんだ」とこちらもスックインに対する絶大な信頼を感じさせる。

劇中、N.Y.が停電する場面では模型のように見える特徴的なアニメーションが登場する。「(アニメを使ったのは)実際のN.Y.を停電させる予算はないから。ブラッド・ピットが女の子に“アレ”してもらうシーンがあるわけでもないしね」と監督は自虐的かつ、きわどい発言で会場を沸かせる。

その性描写がセンセーショナルに取り上げられ、日本ではモザイクは免れないが、監督は「セックスって不思議なものです。時々、『なんで逆さまになって、こんな態勢で何やってるんだろう?』って思ったり。そこには喜びもユーモアも退屈さも、時に友情なんてものまであって、人生そのものです。そして、作品に描かれているのは親しみを持ってもらえる、スウィートなストーリーだと思います。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を受け入れてくれたようにこの作品にもチャンスをいただければ」と語る。

先述の大停電(2003年8月)、そして9.11について質問が及ぶと監督は「この映画は私の9.11へのリアクション」ときっぱり。そして映画の言葉を引きながら「『60年代のようでありながら希望がないだけ』というこのネガティブな空気の中で、自身の無力さに気づかされながら、みんなが変化を求めていた。そして2003年の大停電のとき、『テロか?』と緊張が走りましたが、ただの電気不足と分かり、ろうそくの灯りの中で人と人が向き合った。それは最も平和な瞬間でした。毎年、こんな停電が起こればいいのに、と思いましたがこの作品がそれと同じような力になってくれたら、と願います」。自虐ネタに、通訳がびっくりする様な単語も飛び出し、最後には社会派のメッセージと、この日の記者会見はまさに監督の独壇場。一見クールな監督の作品に込めた熱い思いが伝わってきた。果たしてその描写、そして物語は? 

『ショートバス』は8月、シネマライズほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》

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