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三國連太郎「二度と戦争を繰り返さないために」渾身の『北辰斜にさすところ』完成披露

かつて日本に存在した旧制高等学校。伝統の中で学問に励む彼らの青春の日々と悲惨な戦争、そして戦後の数十年の年月を経ても廃れることのない彼らの絆を描く『北辰斜にさすところ』。本作の完成披露試写会が12月3日(月)に開催され、主演の三國連太郎、緒方直人そしてプロデューサーの廣田稔が上映前の舞台挨拶に登壇した。

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『北辰斜にすところ』完成披露試写会に登場した(右から)緒方直人、三國連太郎、廣田稔プロデューサー
『北辰斜にすところ』完成披露試写会に登場した(右から)緒方直人、三國連太郎、廣田稔プロデューサー
  • 『北辰斜にすところ』完成披露試写会に登場した(右から)緒方直人、三國連太郎、廣田稔プロデューサー
  • 真剣なまなざしで作品に込めた思いを語る三國連太郎
  • 学生役にちょっぴり照れながらも充実した表情を見せた緒方直人
かつて日本に存在した旧制高等学校。伝統の中で学問に励む彼らの青春の日々と悲惨な戦争、そして戦後の数十年の年月を経ても廃れることのない彼らの絆を描く『北辰斜にさすところ』。本作の完成披露試写会が12月3日(月)に開催され、主演の三國連太郎、緒方直人そしてプロデューサーの廣田稔が上映前の舞台挨拶に登壇した。

戦場の辛い記憶を抱えて戦後を生きてきた主人公・上田勝弥に扮した三國さん。「この中では私が最も年上ですね。84歳になりました」と語り、客席に向けて一礼すると大きな拍手がわき起こった。神山征二郎監督の作品への出演はこれが3作目となるが「神山監督は良いときと悪いときが両極端な監督なんですね(笑)。でも今回に関してはまさに“狂気の如く”という感じで、僕がこれまでに見たことのないような怒鳴り方を見せていました。この勢いが今回の作品を作っていると思います」と語る。だが作品への思い入れの強さは三國さんも同様だ。「実はこの作品のラストはかなり大幅な変更があったんです。僕が監督に『このラストで終わりにするのは嫌だ』と言ったんです。監督も同様に物足りないと思っていたのでしょう。そこから極端に変えたんです」と現場での熱いやりとりの一端を語ってくれた。自身も出征経験を持つ三國さん。この作品に込めた思いについて「戦争が終わり佐世保に上陸し、故郷へ帰るときに広島を通ったときに見た、あの焼けただれた街を二度と再現させるようなことがないように、と思っております」と語った。

廣田プロデューサーは普段は大阪に事務所を構える弁護士。今回この作品に携わることになったきっかけについて「神山監督や(原作・脚本を担当した)室積光さんとご縁をいただき、いまの社会の問題を考えたとき、旧制高等学校の姿を映像として残したいという思いに駆られたのが出発点です」と説明する。そして「現場を訪れて監督や三國さんを始め、全てのキャスト・スタッフの方々の“作り出そう”という姿に感動しました。こうしたみなさんの努力を映画の行間や沈黙の中に感じていただきたいと思います。そして感じた気持ちを家に持って帰って、家族で分かち合っていただけたら幸いです」と呼びかけた。

若き勝弥が高校に入学したときの先輩であり、“ミスター七高生”の異名をとる名物男・草野を演じた緒方さんは「台本を読んでいると、何度読んでも必ず泣けてしまうシーンがありまして。そのシーンだけは泣いても大丈夫なように、撮影がない日の前日に練習していました」と照れくさそうに話す。鹿児島での撮影中のエピソードを尋ねられると「草野は高下駄を履いてるんですが、高下駄で霧島山に登らされたときはびっくりしました。しかもそれからさらに撮影がありまして大変でした。高下駄で登山する人もあまりいませんよね(笑)」。完成した作品について「とにかく三國さんが素晴らしいです。ご一緒できて本当に嬉しかったです」と笑顔で感想を語ってくれた。そして「勝弥も草野も“男の心意気”というものを持っている男ですので、それを作品から感じていただければ、と思います」と語ってくれた。

三國さんが「映画界に寄与できる作品に仕上がったと思います」と自信を持って語る『北辰斜にさすところ』は12月22日(土)よりシネマスクエアとうきゅうにて公開。
《シネマカフェ編集部》

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