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「役所広司さんをいまだに“父さん”と呼びます」塩谷瞬が『象の背中』で見せた家族愛

仕事も順風満帆、家族もみんな仲良く充実した日々を送っていたサラリーマン・藤山幸弘が、ある日突然、末期癌で「余命半年」と宣告される。延命治療ではなく、これまでの人生をふり返り、その時どきで大事に思っていた人たちと会い、最後の挨拶をしようとする彼を支える家族の姿を描いた『象の背中』。そこに大きな事件は起きないけれど、家族を思う父、そして父を思う家族の姿が胸を打つ本作で藤山の息子、俊介を演じた塩谷瞬さんに話を聞いた。

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『象の背中』塩谷瞬 photo:Yoshio Kumagai
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  • 『象の背中』スタンダード・エディション
仕事も順風満帆、家族もみんな仲良く充実した日々を送っていたサラリーマン・藤山幸弘が、ある日突然、末期癌で「余命半年」と宣告される。延命治療ではなく、これまでの人生をふり返り、その時どきで大事に思っていた人たちと会い、最後の挨拶をしようとする彼を支える家族の姿を描いた『象の背中』。そこに大きな事件は起きないけれど、家族を思う父、そして父を思う家族の姿が胸を打つ本作で藤山の息子、俊介を演じた塩谷瞬さんに話を聞いた。

本作への出演が決まったとき、「人間の心の葛藤や動きをフィルムにたっぷりと焼き付けられるような作品になるんじゃないかと思って嬉しかった」と、その第一印象を語る。
「最初は、もっと昭和テイストな作品なのかなという印象だったんですが、実際に現場に入ってみて現代なんだなと思いました。役所(広司)さんと今井(美樹)さんが夫婦ってどんな家族なんだろうなと考えたとき、知性も教養もあって、わりと良いところの家庭だろうと思ったんです。その中で俊介の気持ちをどう表現するかを考えながら現場に入りました」。

準備段階の脚本(準備稿)から、本番用の脚本(本稿)まで、何回か書き直されるのが映画の現場。大幅に変わることもあれば、ほとんど変わらない場合もあるが、本作は変わったシーンが多く、塩谷さん自身の脚本に対する感じ方も変わっていった。
「準備稿だと家族4人で食事するシーンから始まるんです。親父が癌だと告知されて帰ってきて悩んで、その後、俊介に告白する喫茶店のシーンがあったんですが、本稿ではその食事シーンがいきなりなくなって、俊介が最初に登場するのが告白シーンになっていたんです。僕はこの映画が『家族で始まって家族で終わる映画』だと思っていたから、最初に僕が家族だと分かるシーンを入れてほしかった。俊介がいない家族団らんでも、例えばジャージが居間に転がっていて、母さんか父さんが一言『俊介は、またこんなところに脱ぎ捨てて』みたいなセリフが入ると、家族としての温かみが加わるんじゃないかと思って、撮影現場に入る前にプロデューサーと監督に話したんです。そうしたら、親父が電気も付けずに居間に一人でいるシーンが付け加えられてました。そのシーンができたことは、自分(俊介)にとって大きかったです」。

父・幸弘を演じた役所さん、母・美和子を演じた今井さん、妹・はるかを演じた南沢奈央さん、そして塩谷さんの4人が藤山家の面々。現場では本当の家族のように仲良くなった。
「役所さんにメールするときはいまだに“父さん”って呼んでます。すごく良い感じで撮影が進みました。僕は良い現場に入るとアナザー・エピソードを考えちゃうんです。いまの家族になっていった経緯とか…例えば、“父親の愛人の存在を薄々感じている家族って、どこか壊れていくんじゃないのかな”って。でも僕たち家族が苦しみながら考えた挙げ句、親父を尊重することを選んだ。俊介は大学生だし、“受け止める”立場だと思ったんです。現場でずーっと父さんがどう生きていくのかを見ていたから、やり合うのがすごく楽しくて。もっとちょっかいを出せば良かったかな(笑)」。

『パッチギ!』『ROBO☆ROCK ロボ☆ロック』などの青春映画で主演をこなす一方、家族をテーマにした本作や『出口のない海』のような群像劇などでは助演として見せてくれる。
「多分、役へのアプローチが変わりますね。主演は監督やプロデューサーと一緒に作品全体を作っていけるポジションだと思うんです。座長としての責任もあるし、こういう自分でいけばこういう映画になるし、ああいう自分でいけばああいう映画になる、と言うか…キャラクターの作り方によって変わってくると思うんです。そういう意味では主演は大変。でもそこさえ作れれば楽しいですよね。出演シーンが多くて大変だけどやり甲斐があります」。

では本作のような“助演”ではどうだろう?
「助演になったときは、主演に対してどうアプローチしていくか、ですよね。今回で言えば、親父に立ち向かっていくのか、親父を支えていくのか。助演の方が俯瞰的な見方が出来るので、自分から入っていくというよりは、主演と、どうぶつかっていくか、なんです。例えば爽やかな主人公だったら、僕がスパイスを加えられるかな、みたいな…。やっぱり違いますよね。それぞれの面白さがあります」。



「象の背中 スタンダード・エディション」
発売:3月19日(水)
価格:3,990円(税込)
発売元:ジェネオンエンタテインメント/テレビ朝日
販売元:ポニーキャニオン
《photo:Yoshio Kumagai》

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