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初の先生役、妻夫木聡「難問ですが子供たちと一緒に考えました」『ブタがいた教室』

つい先日、幕を閉じた第21回東京国際映画祭でコンペティション部門の観客賞、TOYOTA Earth Grand Prixの審査員賞の2冠に輝いた『ブタがいた教室』。「Pちゃん」と名付けたブタを育て、卒業を前にPちゃんの処遇を巡って大論争を展開した26人の6年2組の子供たちと担任の星先生が一緒になって“命”、“食べること”について考える姿を描いた本作が11月1日(土)に初日を迎え、星先生役の妻夫木聡と前田哲監督が舞台挨拶に登壇した。

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『ブタがいた教室』初日舞台挨拶にて(左から)前田哲監督、甘利はるな、妻夫木聡、大倉裕真
『ブタがいた教室』初日舞台挨拶にて(左から)前田哲監督、甘利はるな、妻夫木聡、大倉裕真
  • 『ブタがいた教室』初日舞台挨拶にて(左から)前田哲監督、甘利はるな、妻夫木聡、大倉裕真
  • 『ブタがいた教室』初日舞台挨拶にて 妻夫木聡
  • 『ブタがいた教室』初日舞台挨拶にて(左から)大倉裕真、甘利はるな
つい先日、幕を閉じた第21回東京国際映画祭でコンペティション部門の観客賞、TOYOTA Earth Grand Prixの審査員賞の2冠に輝いた『ブタがいた教室』。「Pちゃん」と名付けたブタを育て、卒業を前にPちゃんの処遇を巡って大論争を展開した26人の6年2組の子供たちと担任の星先生が一緒になって“命”、“食べること”について考える姿を描いた本作が11月1日(土)に初日を迎え、星先生役の妻夫木聡と前田哲監督が舞台挨拶に登壇した。

本作が初の教師役となった妻夫木さん。「いつもだったら、芝居をするにあたり演技プランを立てたりするんですけど、今回は特に題材が題材だったので、そういう観点からは逆方向に行きました。一人の教師として、子供たちに何が残せるかということを考えました。僕自身がドキュメンタリー番組や資料などを見て、教育というもの自体について考えてノートにまとめてみたりもして、この作品に取り組みました」と、役作りについて説明した。26人の生徒たちについては、「もちろん、いきすぎるところもあったりしたんですが、特にディベートのシーンなんかは、監督と一緒に1か月くらい合宿したりしました。そうしたことも訓練した中で、改めて僕の言葉によって、また新しい空気みたいなものを出してくれたので、本当に子供たちに助けられた映画だなと思っています」と、手放しで26人を絶賛した。

東京国際映画祭で上映されたときから、子供たちの演技については“素の部分”を大事にしたと言っていた前田監督。「実際の撮影までの時間をどう過ごすかが重要でした。毎週土日はリハーサルをして、自分の思いを言葉にして表現してもらう練習をしました。みんなに、“こういうセリフを言ってごらん”と言えば、それなりに上手に言えるんです。でも僕自身、心から出たものしか心に届かないという確信があったので、実際に自分が思うことを自分の言葉で表現してもらうという練習を撮影まで散々やりました。実際の撮影は、もうライヴのようなもので、カメラを何台も用意して、後は星先生にお任せして、よーい、どん、でやってもらいました」と、その演出方法について語った。

ここで、6年2組の生徒たちを代表して、大倉裕真くんと甘利はるなちゃんが星先生(=妻夫木さん)への手紙と、クラス全員による寄せ書きを持ってサプライズで登場。はるなちゃんは「いつも笑顔で真剣に私たちと向き合ってくれて、本当の先生のように感じました。休み時間に星先生と遊ぶのをクラスのみんなと取り合いになるくらいでした。私は2回、お姫様抱っこをしてもらったのが一番の思い出です。本当の“いただきます”の意味をPちゃんと先生に教えてもらいました。私たち人間は、いろいろなものの命をもらって生きているので、食べ物はもちろん、自分の命も大切にしないといけないと思います」。

そして、裕真くんは「今回、星先生は命の大切さを僕たちと一緒になって、一生懸命考えてくれたり、いろいろ話をしてくれたので、僕も一生懸命考えることが出来ました。何気なく食べているけど、それまでにいろいろな人の苦労があって食べられるんだなと分かりました。でもふざけすぎて、食べ物で遊んでしまい、粗末にしてしまい、星先生に怒られたこともありました。前の僕なら、怒られたってことだけしか思わなかったけど、星先生に真剣に怒られたときに反省し、悪いことをしたな、と思いました。だから後でこっそり謝りに行くと、すごく優しく許してくれました。そのことが本当に嬉しくて、今でも心に残っています」と、それぞれの星先生への思いを手紙に託していた。その後、観客として劇場に来ていた数人の生徒も壇上に上がり、星先生との再会を喜び合った。

最後に妻夫木さんから、「僕自身も子供たちからいろんなものをもらったなと思います。“命”という題材は本当に難しいですけれども、僕たちが真剣に悩んで、一緒に作った映画です。『いただきます』という言葉は日本にしかない言葉で、何気なく言っているけれど、命をいただくということなんですよね。そういう思いを日本人は昔から持っていて、でもいつしか、ただ言うだけになってしまっている。昔から“命”に感謝する言葉を持っていた日本人だからこそ、これから日本から発信して、いろんな世界の人たちがもっともっと命について考えてくれるようなきっかけになれたら嬉しいなと思います」とメッセージを贈り、舞台挨拶は幕を閉じた。

『ブタがいた教室』はシネ・リーブル池袋、新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》

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