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65歳の悪ガキ、ミック・ジャガー「俺はアイコンなんかじゃなく、血の通った人間さ」

デビュー以来40年以上にわたって第一線を走り続けてきたモンスターバンド、ザ・ローリング・ストーンズ。2006年秋にN.Y.のビーコン・シアターで行われたライヴを撮影した『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』がついに公開を迎えた。『ワン・プラス・ワン』や『ギミー・シェルター』など、これまでにもストーンズの姿を追った映画は作られてきたが、今回彼らがタッグを組んだのは『ディパーテッド』で念願のオスカーを獲得したマーティン・スコセッシ。どうやってこのスーパータッグが成り、どのように撮影が進められたのか? スコセッシ監督、ミック・ジャガー、キース・リチャーズが語ってくれた。

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『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 (左から)キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロン・ウッド、マーティン・スコセッシ監督、ミック・ジャガー。 -(C) Kazuko Wakayama
『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 (左から)キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロン・ウッド、マーティン・スコセッシ監督、ミック・ジャガー。 -(C) Kazuko Wakayama
  • 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 (左から)キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロン・ウッド、マーティン・スコセッシ監督、ミック・ジャガー。 -(C) Kazuko Wakayama
  • 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 -(C) 2008 by WPC Piecemeal, Inc. All Rights Reserved.
  • 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 -(C) 2008 by WPC Piecemeal, Inc. All Rights Reserved.
  • 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』 -(C) 2008 by WPC Piecemeal, Inc. All Rights Reserved.
デビュー以来40年以上にわたって第一線を走り続けてきたモンスターバンド、ザ・ローリング・ストーンズ。2006年秋にN.Y.のビーコン・シアターで行われたライヴを撮影した『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』がついに公開を迎えた。『ワン・プラス・ワン』や『ギミー・シェルター』など、これまでにもストーンズの姿を追った映画は作られてきたが、今回彼らがタッグを組んだのは『ディパーテッド』で念願のオスカーを獲得したマーティン・スコセッシ。どうやってこのスーパータッグが成り、どのように撮影が進められたのか? スコセッシ監督、ミック・ジャガー、キース・リチャーズが語ってくれた。

スコセッシは、今回のプロジェクトがミック・ジャガーの一言から始まったと明かした。
「彼との出会いは70年代にまでさかのぼる。初めて顔を合わせたのはカリフォルニアのあるパーティだった。その後、彼は何度か僕の撮影現場に会いに来てくれた。モロッコで『クンドゥン』を撮影していたときも来てくれたし、同じ街でライヴをやっていることもあって、何度か僕も足を運んだよ。彼らの最新のツアーのニューヨーク公演に訪れたとき、ミックが僕に言ったんだ。『コンサートを撮影したらどうかな?』ってね。僕もいいアイディアだと思った。でも普段、彼らのライヴが行われるような大規模な場所ではなく、カメラがメンバーの相互関係を捉えられる、こぢんまりとした場所の方がいいと考えたんだ」。

「彼らはずっと歳を取らない存在なんだ」スコセッシはストーンズをこう表現する。
「彼らはインスピレーションの源であり続け、僕には常に新しく聴こえる。行動にも、音楽にも常に挑戦的な面を持っているんだ。きっと時間に抵抗する力を備えているのさ(笑)」。

ミックは、劇中に登場する自らの若き日の映像を指して「かわいかっただろう?」といたずらっぽく笑い、現在のロックについてこう語る。
「ロックの現状はとても健康的だと思うね。新しいバンドも出てきているし、古いバンドもがんばってる。俺たちのように、法律にたてついて投獄されるような奴がいないって? まあ刑務所に入るのなんて簡単なことだよ(笑)。昔との違いは、すでにロックが古い音楽スタイルだということだね。俺たちの頃はロック自体が新しい存在だった。ただ、社会的に新しいものでなくなっても、音楽的にはまだ可能性を秘めていると思うよ」。

すでにミック自身の存在が一つの“アイコン”となっていると言えるが、当のミックはそんな考えを一笑に付す。
「俺は血の通った一人の人間だよ(笑)。大事なのはちゃんと地に足をつけることだ。朝起きて、歯を磨きながら『俺はアイコンだ』なんて思わないし、アイコン用の歯磨き粉も朝食シリアルもないだろ? 目が覚めて考えるのは『何て美しい一日の始まりなんだ!』ってことさ」。

キース・リチャーズは、ストーンズを扱ったこれまでの作品と本作の違いについて「スコセッシの存在こそが最大の違いだ」と断言する。
「マーティン・スコセッシが手がけると言ってくれたからこそ、俺たちは「YES」と言ったんだ。そうでなければ興味を持てなかっただろうね。もう十分にあるし、ただのビデオなんだから。彼がやると聞いて、これは全く次元の違うものになると思った、彼はビジョンがない限りはやらない人間だからね」。

実際に一緒に仕事をしてみての感想を尋ねると、キースは満足そうな笑みを浮かべた。
「すごく楽だったよ。彼は、ステージ情の出演者に対し、それが映画作りだと感じさせないように細心の注意を払っていた。ライヴでの俺やチャーリー(・ワッツ)の仕事というのは、フロントマン(=ミック)を最高にかっこよく見せること。俺たちはただ、あの場でいつも通りに自分らしくライヴをやっただけさ」。

インタビューの最中、スコセッシはミックとの交流について触れながら、思い出したように、あるやり残した仕事について言及した。
「76〜77年に、ある長編映画の企画でミックとロンドンでいろいろな話をしたんだ。それ以来、その話は現れたり、立ち消えになったりしていまに至ってるんだよ。そっちの方も早いところ実現させたいんだけどね(笑)」。

そう語るスコセッシもまた、ストーンズのメンバーと同様に“時間に抵抗する力”を持っているに違いない。還暦をとっくに過ぎた“悪ガキども”の宴はまだまだ終わりそうにない。
《シネマカフェ編集部》

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