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成海璃子「ハッピーなお話よりは不条理な方が好きなので…ドンピシャでした(笑)」

人気劇団「ナイロン100」を率い、その独特のユーモアとギャグセンスで多くの観客を魅了するケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)。『1980』、『グミ・チョコレート・パイン』 など映画監督としてもその実力を遺憾なく発揮してきた彼が、最新作『罪とか罰とか』で主演に選んだのは、抜群の演技力でドラマに映画にと引っ張りだこの若手実力派・成海璃子。しかもその役柄が、ひょんなことから一日警察署長をやるハメになった、崖っぷちのグラビアアイドルというのだから見逃せない! 先日公開を迎えた本作について成海さんが語ってくれた。

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『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
  • 『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
  • 『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
  • 『罪とか罰とか』 成海璃子 photo:Yoshio Kumagai
  • 力強い眼差しが印象的 photo:Yoshio Kumagai
  • 16歳とは思えぬ落ち着いた口調で質問に答えてくれた photo:Yoshio Kumagai
  • 舞台や全く違った役柄を演じる日が楽しみだ photo:Yoshio Kumagai
  • 本作を含め、映画、TVで話題作への出演が目白押し
人気劇団「ナイロン100」を率い、その独特のユーモアとギャグセンスで多くの観客を魅了するケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)。『1980』、『グミ・チョコレート・パイン』 など映画監督としてもその実力を遺憾なく発揮してきた彼が、最新作『罪とか罰とか』で主演に選んだのは、抜群の演技力でドラマに映画にと引っ張りだこの若手実力派・成海璃子。しかもその役柄が、ひょんなことから一日警察署長をやるハメになった、崖っぷちのグラビアアイドルというのだから見逃せない! 先日公開を迎えた本作について成海さんが語ってくれた。

「KERA監督には『笑うポイントが似てるね』って言われました(笑)」

最初に本作の脚本を読んだときは、その突飛なストーリーに「何の想像も出来なかった」という。
「話はありえないし、面白いし。でも、実際にやるとなったらどうなるんだろう? って思いましたね。ニコニコと笑えるお話ではなく、アイドルという設定でかなり黒いことを伝えてて。こういうことやる人はあまりいないのでかっこいいな、と思いました。実際に監督に会ってみての印象は…面白くてこれまでに会ったことのないタイプの方でした(笑)。監督からは、笑いのポイントが自分と似てるって言われました。笑わせようとするところじゃなくて、ちょっと誰かがセリフを噛んじゃったときとかに笑っちゃうんです、私。そのときに、ふと隣を見たら、監督もずっと笑ってて『似てるね』って…(笑)」。

本作ではコメディに初挑戦。さらに今夏公開の『山形スクリーム』ではホラー映画に初出演と新たな挑戦が続く成海さん。これまでとは異なる役柄を演じることについてこう語る。
「世間から見た自分のイメージと言うか…自分に合うんだろうな、という役柄は何となく分かります。そうした役に慣れてしまうことが怖かったですね。役をこなしてしまうのも嫌だし、世間に飽きられるのも、自分自身、飽きてしまうのもマズいし。自分には出来ない、と思うことをやっていかないと意味がないですから。そう考えていたときに、ちょうどいい役に出会えたな、と思います」。

今回の作品では、マネージャー役の犬山イヌコを始め、舞台出身の俳優陣が数多く出演している。彼らと共演し、またKERA監督と接する中で舞台に出てみたいという気持ちは芽生えてこなかったのだろうか?
「(やりたい気持ちは)ありますね! 初めて見たKERAさんのお芝居が『どん底』という作品だったんです。あの中の一員になりたいかと言うと…どうでしょうねぇ(笑)? 今回の作品でも、犬山さんが会話の途中で『あ、(セリフを)噛んじゃった』って言ったり、普通じゃありえないことがすごく多い。映像作品だとカメラがあって、ある意味そこで守られてる感じがするけど、舞台だとそこに立ったらもう自分の力、芝居しかないという感じで『すごいな』と思いました。KERAさんの作品には出てみたいですね」。

「ひとつの作品に懸けるエネルギーが大きくなってきているのを感じます」

本作に加え、先に挙げた『山形スクリーム』、さらにはTVドラマなど短い期間の中で出演作が目白押しだが、こうした中で自身の中に芽生えた“変化”についてこう語る。
「ひとつの作品に懸けるエネルギーが大きくなってきたのは感じます。もちろん、これまでも決して手を抜いていたわけではないんですが、以前ならひとつの作品が終わって、すぐに次の作品がクランクインとなっても全然平気で、むしろ嬉しいくらいだったんです。でも今回は、クランクアップした翌日から戦争もののドラマの撮影で、正直きつかった。準備期間の必要性を痛感しました」。

そう感じるのは、作品を重ねるごとに役に対する深度が深まっているから、と言えるかもしれない。そんな彼女に将来像、今後について聞いてみた。
「やっていて自分で楽しくなくなったら意味がないと思っています。ずっと好きでこの仕事をやっていきたいな、と。それからこれまで、あまり自分で決断してきたことがないので、自分の感覚に従って、ひとつずつ決めていけるようになりたいですね。役で言うと…『あの頃ペニー・レインと』という映画が好きなんですが、あの作品のキャラクターのように、いまの自分でしかやれない役をやりたいです。ただ、作品としてはハッピーなものよりは不条理なお話の方が好きです。だから、今回のお話はドンピシャだったんですよ(笑)」。

「“技術”を身につけたいとは思わない」、「自己満足で終わらせたくない」と語る彼女からは、演じるということに対する真摯な姿勢が強く感じられた。一方で、時折のぞかせる16歳のフワリとした笑顔が印象的だった。これからどんな変化を見せてくれるのか——。いつか彼女が舞台の上に立つ日を楽しみに待ちたい。

《photo:Yoshio Kumagai》

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