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細マッチョな知性派探偵を熱演! 尾上菊之助、暗号の魅力に目覚めた?

“梨園のプリンス”として、その美貌と色気で立役(男性の役)、女形を見事に演じ分ける五代目尾上菊之助。5作目の映画出演にして、初の現代劇となる『THE CODE/暗号』で彼が演じるのは、3桁の数字のコードネームで呼ばれる探偵。しかもこの探偵、ハンフリー・ボガートともポール・ニューマンとも松田優作ともタイプがちょいと異なる。専門は暗号解読、おまけに舞台は魔都・上海。知略を武器に、旧日本軍が隠したという軍資金を巡って上海マフィアらと戦いを繰り広げる! 公開を前に“探偵507”こと菊之助さんが口を開いた。

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『THE CODE/暗号』 尾上菊之助 photo:Yoshio Kumagai
『THE CODE/暗号』 尾上菊之助 photo:Yoshio Kumagai
  • 『THE CODE/暗号』 尾上菊之助 photo:Yoshio Kumagai
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  • 『THE CODE/暗号』 尾上菊之助 photo:Yoshio Kumagai
  • イメージは“数学者” photo:Yoshio Kumagai
  • 先日は、初のロンドンでの歌舞伎公演を行った菊之助さん photo:Yoshio Kumagai
  • 新たな探偵像を打ち立てた! photo:Yoshio Kumagai
“梨園のプリンス”として、その美貌と色気で立役(男性の役)、女形を見事に演じ分ける五代目尾上菊之助。5作目の映画出演にして、初の現代劇となる『THE CODE/暗号』で彼が演じるのは、3桁の数字のコードネームで呼ばれる探偵。しかもこの探偵、ハンフリー・ボガートともポール・ニューマンとも松田優作ともタイプがちょいと異なる。専門は暗号解読、おまけに舞台は魔都・上海。知略を武器に、旧日本軍が隠したという軍資金を巡って上海マフィアらと戦いを繰り広げる! 公開を前に“探偵507”こと菊之助さんが口を開いた。

“特殊性”を持った男の魅力

洋の東西を問わず、様々な探偵像が映画やTVで描かれてきた。今回の役を演じる上でイメージした探偵を尋ねると、菊之助さんの口からは「探偵というよりも数学者というイメージの方が強かった」という答えが返ってきた。
「確かにいろいろな探偵がいますが、暗号解読のプロというのはかなり特殊だと思います。林海象監督から、直接今回のお話をいただいて脚本を読んだときに何より感じたのは、まさにこの特殊性を持った男の魅力でしたね」。

初の現代劇ということで、役作りに関して、歌舞伎やこれまでの映画出演作との違いはあったのだろうか?
「大きな違いというのはないです。ただ、暗号のプロということで、陸軍中野学校(旧日本軍の諜報員養成機関)出身という方とお話させていただいたり、監督に薦められた本を読んだりはしました。僕自身が描いた“507”のイメージは、頭脳明晰で数字には滅法強い一方で、人との関わりは苦手、というもの。(演じる上で)難しさはありましたが、楽しみの方が勝っていましたね。こういう特殊な才能を持った人間は、どういう人生を生き、どんな仕事をこなしてきたのか? そういうことを想像をするのは楽しい作業でした」。

菊之助さん自身、暗号やクイズを解くのは得意かというと「ナンクロ(ナンバー・クロスワード・パズル)は好きですね。数学も好きでしたよ」とのこと。そして、今回の映画に出演したことで、暗号というものに対する考え方の変化についてこう語る。
「これまで、暗号というのは秘密を守るためのものだと思っていたんです。でも、実は暗号とは、情報を伝えるための手段なんですね。(実存主義の哲学者)ヤスパースは『人が困難な状況に直面したとき、暗号が送られている』と言ってますが、暗号というものの違った側面を見ることができましたね」。

アクションにも果敢に挑戦!

映画の中では、知力だけでなく、果敢なアクションも見せている。
「アクションシーンに対しての準備はほとんどしてないんです。というのは、“507”は決してマッチョな肉体派ではないんで(笑)。極力、吹き替えなしで自分でやらせてもらいましたが、殺陣はやはり独特の難しさがありました」とふり返る。

そして、ヒロインの美蘭(メイラン)役の稲森いずみさんとの共演については…。
「映画の中の507と美蘭の関係と似たものがありましたね(笑)。非常にクールで可憐な方でした。撮影が進むにしたがって徐々に打ち解けていく…という実感がありました」。

最後に、映画の中で菊之助さんにとって、最も印象深いシーン、セリフを尋ねてみた。
「『探偵は人を疑うのではなく、信じるところから始まる』というところでしょうか。会長(宍戸錠)の言葉ですが。現代社会って、やはり人との関わりにおいて希薄になっている部分ってありますよね。そんな世の中だけれども、僕自身、人を信頼すべきときがあっていいんじゃないかって常々思っています。それを作品を通じて改めて感じることができました」。

「歌舞伎あっての自分」真摯な表情でそう語る菊之助さん。逆に、歌舞伎以外の仕事で得たもので、歌舞伎に反映される部分は? と尋ねると「それが分かるには時間が必要かな。決して何かを得るために外に出ているわけではないですしね。ただ、経験してみないと分からないことはあるし、チャンスをいただけるなら、どんどん挑戦していきたいですね」とも。舞台の上で、そしてスクリーン上で、様々な経験を経て、この先の長い俳優人生の中で、一体どのような変化を遂げていくのか——? この先じっくりと楽しませてもらえそうだ。

《photo:Yoshio Kumagai / hair & make-up:HOLLY》

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