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「若い頃に学んだ大切なことは3つ」トム・ハンクスが明かす成功の秘訣とは?

「鞭を持っていない、知的なインディ・ジョーンズ」——。トム・ハンクスは自らが『ダ・ヴィンチ・コード』、そして最新作『天使と悪魔』で演じた宗教象徴学者、ロバート・ラングドンをこう表現した。インディとラングドン。確かにどちらも大学教授であり、好むと好まざるとにかかわらず冒険に巻き込まれ、絶体絶命のピンチに立ち向かっていくという点では同じだが、“ヒーロー”としてのタイプは全く異なるのだ。いや、そもそもトムが作り上げたこのラングドンという男は、これまで幾多の映画が描いてきた“アメリカン・ヒーロー”とはひと味違った魅力を持っていると言える。原作者ダン・ブラウンの手による、この魅力あふれるキャラクターを、トムは果たしてどのような思いで演じたのか? 全世界同時公開を前に来日したトムに話を聞いた。

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『天使と悪魔』 トム・ハンクス
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「鞭を持っていない、知的なインディ・ジョーンズ」——。トム・ハンクスは自らが『ダ・ヴィンチ・コード』、そして最新作『天使と悪魔』で演じた宗教象徴学者、ロバート・ラングドンをこう表現した。インディとラングドン。確かにどちらも大学教授であり、好むと好まざるとにかかわらず冒険に巻き込まれ、絶体絶命のピンチに立ち向かっていくという点では同じだが、“ヒーロー”としてのタイプは全く異なるのだ。いや、そもそもトムが作り上げたこのラングドンという男は、これまで幾多の映画が描いてきた“アメリカン・ヒーロー”とはひと味違った魅力を持っていると言える。原作者ダン・ブラウンの手による、この魅力あふれるキャラクターを、トムは果たしてどのような思いで演じたのか? 全世界同時公開を前に来日したトムに話を聞いた。

「原作者の願望を投影したキャラクター」

トムは、自らが演じた役というよりは気安い友人について語るように、ラングドンについて語り始めた。
「そもそもラングドンは、ダン・ブラウンが『こうありたい』という願望から作り上げたキャラクターのような気がするよ。今回、シリーズ2作目にして初めて彼の住むアパートが出てくるけど、僕のイメージでは、彼は“思考の人”という感じで、家には本しかなくて、音楽なんか聴かないって思ってたよ。一方で、とにかく豊かな知識を持っていて、宗教に美術、科学から建築にいたるまであらゆる分野に精通している。その上で、専門の宗教象徴学に関しては、世界でも第一人者と言える存在なんだ。演じる上では今回、これほど“おいしい”役はないなって思ったよ。と言うのも、いま僕が言った彼の人物像については、すでに前作の『ダ・ヴィンチ・コード』で十分に紹介されている。だから今回改めて彼がどんな人間なのかを見せる必要がないんだ。冒頭のプールで泳いでる彼の元に使者がやってくるというシーンで、説明なしですぐに『ヴァチカンからの使いだね?』と入ることができる。これは前作との大きな違いだね」。

トムにとって、同じ人物を2度演じるのは声優を務めた『トイ・ストーリー』を除けば、今回が初めてのこと。それについてトムは、あのヒット作を引き合いに出しながらこう語る。
「実は、続編への出演ということで言うなら、『フォレスト・ガンプ』にもパート2の構想はあったし、実際に脚本も出来ていたんだ。でも、実際にはそれはパート1の繰り返しに過ぎなかった。全く同じようなパターンで、新たなテーマも驚きもなく、喜ぶのは映画会社だけ、という感じの企画だったんだ(苦笑)。今回はテーマも前作と全く異なるし、違う世界に行く。歴史を分析しながら現代に繋がる部分もあるんだ。そこに作る価値があると思ったんだ。実際、それだけの価値を持った映画というのはなかなかなくて『007』に『インディ・ジョーンズ』、それから『ボーン・アイデンティティ』のシリーズくらいじゃないかな。僕自身は、リピートする価値があると感じたらやるさ。このシリーズも、もし足腰が立つなら9作目にだって出るよ(笑)」。

「大切なのは観客がお金を払う価値があるかどうか」

前作に続き、この『天使と悪魔』もカトリック教会との関係を巡って様々な論議を呼んでいるが、彼自身はそうした見方を一笑に付す。
「この映画は、決して物議をかもすようなものではないと思う。なぜなら、ここで描かれていることはあくまでも仮説なんだから。今回の仮説は“ローマ教皇の座をハイジャックすることは可能か否か?”。それが“YES”だという前提で物語は作られているんだ。“宗教と科学の関係”なんてことは、この映画が言い出したわけでもなく、これまでも日常に存在してきた問題さ。いま始まったような論争じゃないだろう? 実際、『ダ・ヴィンチ・コード』が公開されて、何かが変わったかと言えば、何も変わってない。教会はいまでも健全に存続しているわけだしね。問題は、いかにお客さんを満足させられるか、お金を払って観に来た人たちが、得をしたのか損をしたのかってことさ」。

舞台の仕事で学んだ大切なこと

今回が4度目のコラボレーションとなるロン・ハワード監督をはじめ、スティーヴン・スピルバーグにロバート・ゼメキス、コーエン兄弟など、名だたる監督たちがトムと一緒に仕事をすることを望んできた。これほどまでに彼が愛される理由はどこにあるのか? 自らの成功の秘訣を尋ねると、少し困ったような表情をしながらもこんな話をしてくれた。
「若い頃は、役者で一生食べていけるなんて夢にも思わなかったよ。幸運だったのは、仕事をもらい始めた頃に一緒に仕事をした人々が、本当の意味でプロフェッショナルだったことだね。その頃は舞台での仕事が中心だったけど、そこで学んだことは3つ、“時間を必ず守る”、“セリフを覚えてくる”、そして“自分なりに役作りをしてくる”ということ。それから、一緒に仕事をする人間に対して敬意を持つということをずっと大切にしてきた。本当は憎しみ合っていようと、一緒に食事に行かなくても構わないから、舞台の上では相手に敬意を持って仕事をする。それを続けたからこそ、いまの僕があるんだ。実際、それが出来ていない人は驚くほど多いんだよ(笑)」。

30年に及ぶ積み重ねによって作り上げられた新たなヒーローを、ぜひ堪能してほしい。

アイェレット・ゾラー インタビュー
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2009/03/5587/
《シネマカフェ編集部》

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