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林遣都『風が強く吹いている』インタビュー 初ランナーズハイ「もう止まらない!」

映画『バッテリー』('07)で鮮烈な主演デビューを飾って以来、主演作が途切れることのない林遣都。丸く大きな瞳と時折見せるあどけない笑顔は、まだまだ少年の面差しを残すが、同時にどこか研ぎ澄まされたストイックな雰囲気をも併せ持つ。思えば『バッテリー』では野球を、そして『DIVE!! ダイブ!!』では飛び込み、『ラブファイト』ではボクシングと、ここ数年アスリート顔負けのトレーニングを積んできた彼。そんな林さんに「体力的にも精神的にも、一番辛かった!」と言わせてしまうのが、最新作『風が強く吹いている』で挑戦した“駅伝”だ。美しいランニングフォームを完全に習得し、孤高の天才ランナー=カケルを熱演した林さんに、ハードな撮影の日々をふり返ってもらった。

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林遣都『風が強く吹いている』インタビュー photo:Yoshio Kumagai
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  • 林遣都『風が強く吹いている』インタビュー photo:Yoshio Kumagai
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  • 「体力的にも精神的にも、今までで一番辛かった!」 photo:Yoshio Kumagai
  • 男だらけの現場、みんなで筋トレも! photo:Yoshio Kumagai
  • 「先輩方に囲まれて、最初はやっぱり緊張しました」 photo:Yoshio Kumagai
  • 美しいランニングフォームに注目! photo:Yoshio Kumagai
映画『バッテリー』('07)で鮮烈な主演デビューを飾って以来、主演作が途切れることのない林遣都。丸く大きな瞳と時折見せるあどけない笑顔は、まだまだ少年の面差しを残すが、同時にどこか研ぎ澄まされたストイックな雰囲気をも併せ持つ。思えば『バッテリー』では野球を、そして『DIVE!! ダイブ!!』では飛び込み、『ラブファイト』ではボクシングと、ここ数年アスリート顔負けのトレーニングを積んできた彼。そんな林さんに「体力的にも精神的にも、一番辛かった!」と言わせてしまうのが、最新作『風が強く吹いている』で挑戦した“駅伝”だ。美しいランニングフォームを完全に習得し、孤高の天才ランナー=カケルを熱演した林さんに、ハードな撮影の日々をふり返ってもらった。

「正直…走ることはあまり楽しくない(笑)」

日本映画には珍しく、本作『風が〜』は夏と冬の2シーズンに分けての撮影を敢行。かなり長いスパンで1つの作品に関わることになった林さんだが、その間、やることは山積みだったとか。
「夏の撮影が終わって冬の撮影まで、半年弱くらいあったんです。その期間は準備期間として使えましたけど、スタッフから渡された(筋トレなどの)メニューが尋常じゃないくらいのハードさで。毎日10km走るのは当たり前なんです。さすがに学校やほかの仕事もあったので、毎日完璧にはできませんでしたけど…。でも常にこの作品のことが頭にあって、遊んでいたとしても“こんなことしてて大丈夫なのか?”って思ってしまって、思いっきり楽しめませんでした…」。

これまでの作品の役作り=体作りで相当シャープな肉体を保っている林さん。この取材当日の彼も、最近で言う“細マッチョ”な理想的体型だったが…。
「撮影中はかなり痩せちゃいましたね。ボクシングをしたときは筋肉で、逆に体重が増えたりしたんですけど、駅伝…つまり“走る”ことって一番辛い。トレーニングがきつ過ぎて、食べられなくなっちゃうんです。だから体を絞りたい人は、実は走ることが一番いいんじゃないかって今回思いました。でも結果的には痩せたことが、本当の駅伝選手の体型に近づけたので良かったです。ただ走ってるときは、正直…あんまり楽しくなくて(笑)。ただひたすら走り続けているだけなので、自分の成長も分からないし飽きみたいなのも来るんです。体力的にはもちろんですけど、精神的にもきつかったですね」。

だが実際の撮影では、“ランナーズハイ”も経験したという。
「あのときは、気づけば相当の体力がついていたんだなと実感しました。もう止まらない! って感じで、どこまでも走っていけそうな感覚。もちろん初めての経験です」。

キャストの中では最年少。しかも彼が演じたカケルは“天才ランナー”ともてはやされてきた花形選手でありながら、その性格はかなり生意気! ダメダメな先輩たちにも度々食って掛かるなど、かなり強気な男の子なのだ。
「(役者の)先輩方に囲まれて、最初はやっぱり緊張しました。でもカケルも最初は浮いてるし、ちょうどよかった(笑)。カケルがなじんできたのと、僕がみんなになじんできたのがそのまんまな感じで。男だらけだったので、みんなで筋トレをしたりして楽しかったです」。

周りにすごい人がたくさんいるので焦ります

その中でも後に『パレード』で続いて共演することになる、ハイジ役の小出恵介さんとの出会いは大きいものがあったようだ。
「本当にさすがだなと思ったのが、小出くんは夏の撮影と比べ物にならないくらい、体を作ってきたんです。ストイックな人なんだなぁと。役的にはハイジとカケルって強い絆で結ばれていくけど、僕も小出くんも実際はすごく人見知り。だけど“人見知り同士だとラクですよね。無理して会話しなくてもいいって、お互い分かってるから”って話をしました(笑)。僕は役の上でも、実際も、小出くんとは心と心が繋がってるんだと勝手に思って演じてました。実際、映画の中で見せる小出くんの走りはとてつもなくすごかった! 本当に尊敬するし、憧れる役者さんです」。

「走ることになると周りが見えなくなるカケルの気持ちは分かる」という言葉も印象的。
「僕はカケルのような天才ではないけど、目の前にやるべきことがあると、すぐに周りが見えなくなるんです。それはお芝居だったり、こうした取材も同じで。うまく自分では切り替えをしているつもりなんですが、特にそれが作品になるとなかなか難しい…。これまで作品ごとに気持ちは切り替えてきたつもりでいたんですけど、たまに深く考え出すとデビュー作(『バッテリー』)から全く切り替えられてないんじゃないか? とか。いや、それは言い過ぎかな(笑)。でも常に、後悔と葛藤の繰り返しですよ」。

一見、この上なく順調にキャリアを積んできているように映る彼。だがその内面はそんな単純なものではない。
「最近は焦ってますね〜。このままではダメだ! と。周りにすごい人たちがいっぱいいるので、そういう人たちを見ているとどうしてもいまの自分に満足なんてできません。でも映画の現場はやっぱり大好きだし、落ち着くんです。控え室から映画のセットに歩いていく瞬間、いつもワクワクする(笑)。なぜだか分からないんですけど」。

映画を愛し、映画に愛され続ける林さん。多いに悩んだその先には、日本映画界を牽引するような魅力的なアクターへの道が開けているはずだ。



林遣都&小出恵介から独占動画メッセージが到着!
http://www.cinemacafe.net/moviegallery/

小出恵介ロングインタビューをシネマカフェにて掲載中
特集 真っ直ぐな眼差しの先
http://www.cinemacafe.net/sweet/koide/
《text:Kaoru Endo / photo:Yoshio Kumagai》

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