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菊池亜希子インタビュー 「恋愛面でも私、自分の感情に鈍感なタイプです、きっと」

昔ながらの本の街としていまなお風情を感じさせる神保町。ここにある、一軒の古本屋を舞台にした映画が誕生した。こっぴどい失恋に打ちひしがれ仕事をやめ、伯父に請われるままに彼が経営する“森崎書店”で起居することになった貴子を演じるのは菊池亜希子。ちなみに彼女は自ら文章をしたため写真とイラストをも手掛けて“街”を紹介するエッセイ「みちくさ」を発表し、その中で神保町も紹介しており、この貴子を演じるにうってつけの存在。菊池さん曰く神保町は「珈琲色の本の街」。ここで彼女はどんな想いを胸に初主演映画『森崎書店の日々』に臨んだのだろうか——?

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『森崎書店の日々』  菊池亜希子
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昔ながらの本の街としていまなお風情を感じさせる神保町。ここにある、一軒の古本屋を舞台にした映画が誕生した。こっぴどい失恋に打ちひしがれ仕事をやめ、伯父に請われるままに彼が経営する“森崎書店”で起居することになった貴子を演じるのは菊池亜希子。ちなみに彼女は自ら文章をしたため写真とイラストをも手掛けて“街”を紹介するエッセイ「みちくさ」を発表し、その中で神保町も紹介しており、この貴子を演じるにうってつけの存在。菊池さん曰く神保町は「珈琲色の本の街」。ここで彼女はどんな想いを胸に初主演映画『森崎書店の日々』に臨んだのだろうか——?

周囲の人間はこの貴子という役が決まった当初、彼女に対して「ぴったりの役」と言っていたとか。その言葉に少なからず疑義を抱いていたという菊池さんだが、撮影が進むに連れ、貴子を演じるということが「自分を掘り起こす作業になった」という。
「初めは、貴子が私にぴったりの役だという周りの意見に『うーん…』とか思ってたんです。でもいざ演じてみたら『あぁ、そういうことか!』って(笑)。貴子の内面というのは、決して強く表には出てこないんですが、掘り起こせば掘り起こすほど私自身と重なっていってしまって…」。

貴子を通じてこれまで意識していなかった自分自身というものを「思い知らされた」と菊池さん。終盤のとあるシーンが“菊池亜希子”という女優を理解するポイントと言えるかもしれない。
「伯父さんに、自分の思っていることを思い切り吐き出すシーンがあるんですが、ここが一番の壁でしたね。私自身、他人にあまり感情を見せたり、思いを吐き出したりすることがなくて、自分の負の感情、グチャグチャな思いをどう他人に伝えたらいいんだろう? って。ずっと悩んでて、監督には『考えて答えが出るもんじゃないしね』と言われてやってみたらこうなった、という感じです。『実際の私もこうなっちゃうのかー!』って(苦笑)」。

そもそも、貴子が森崎書店での日々を送るきっかけは、失恋であり、このズルズルとした恋心がその後の物語にも大きく関わっていくのだが、恋愛面に関しても貴子と似ているという自覚は?
「結構あるんでしょうね、似ている部分が。でも、そうありたくないという自分がいて(笑)。(失恋に対して)割と平気なふりして過ごして、『平気だな、私』って思ってたのが、あるとき突然ゴロっと出てきて…という感じでしょうか。自分の気持ちに対して結構、鈍感なタイプです、きっと」。

モデルとして活躍してきた菊池さんだが、女優として「演じる」ということについての興味をこんな言葉で表現する。
「面白いな、と思うのは、ある人が役に対してイメージを持っていて、そこに“意思”があって、キャスティングが決まるということ。ある役のお話が私に来るということは、そこで私についてこういうイメージで見ている、というのが見えてくるじゃないですか。それがすごく興味深いです。私、人にすごく興味があって人間観察が大好きなんです。芝居を始めたことで自分自身をより知るようになったと思います。『あぁ、私ってこんなイヤな顔するんだ』とか。モデルというのは一番見せたい顔、素晴らしい表情を見せるお仕事。でもお芝居は、そうではない顔を見せることの方が圧倒的に多い。難しいし、面白いです」。

「常に、2〜3冊の本を持ち歩いて、気分次第で好きなものを読んでる」というほどの本好きで、作品のせいもあってか一見、“文型女子”っぽさを感じさせるが、大学では建築を専攻したバリバリの理系。自身、「このアンバランスなところは、自分の中でずっとコンプレックスだった」とも…。
「さっきのイメージの話と重なるんですが、私、人によって全く印象違うみたいなんです。『クールでピシッとして大人っぽい』と見られることもあれば『フワフワと漂っているような柔らかいイメージ』と言われることもあって。『私は私なのに…』と思いつつも定まらないような感じで、それがモデルの頃はずっとコンプレックスでした」。女優としてそのアンバランスな部分は魅力と言えるのでは? こちらのそんな言葉に「そうだと嬉しいんですけど…」と少し照れくさそうに笑顔を見せてくれた。

本のお話が出たところで、好きな本を1冊聞いてみよう。
「小学生の頃、初めて1冊きちんと読んだ『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)。子供ゴコロに衝撃でしたね。『時間泥棒って…?』って。いまでも時々読みますが、読むたびに新しい発見があって、そのときの自分がほしい言葉が見つかったりするんです。『一度で全部のことを見ようとするのではなく、目の前の一歩を大事にしていけば、後ろにちゃんと道ができて、それが楽しくなる」という意味のフレーズがあって、そういう生き方はすごくいいな、と思います。これからも節目節目で読みたいですね」。

ちなみに2冊目となる彼女の手による書籍「菊池亜希子 おしゃれのはなし。ずっと変わらず好きなもの」(キャンキャンオッジムック刊)も先日より発売されている。
「ほぼ責任編集を任されているんです。自分の意思でページを作っていくってものすごく大変だけど、ものすごく面白い」とニッコリ。映画と併せてこちらも楽しみだ。

古本屋で佇む彼女、元カレと向き合う彼女、思いの丈をぶちまける彼女。アンバランスな菊池亜希子の魅力をぜひ堪能してほしい。
《シネマカフェ編集部》

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